第五話 休日は特別コーチ。

休日は主に農作業をやる予定だが今回はジュニアチームの特別コーチだ。

主に投球、バッテリー、バッティング、走塁などを指導する。

まぁ簡単なことだ。ただ練習に付き合い足りない部分を指摘する。ただそれだけの事。


「おっちゃん。おはようさん」

「おっさん。今日もよろしく」


全くこの二人は。

この二人は上の奴が海道 まもる、捕手だ。

そして下の奴が二階  なげる、投手だ。


この二人を主に指導したりする。

投球術やら投球フォームを見て改造したり捕手にショーバンした際の捕球方法又は球を前に落とすことを指導する。


それをしてから全体指導へと移る。

バッティングは俺が贈ったピッチングマシンを使い個々で打ちそれを俺が見て指導したり実戦形式で場合によっての対応を指導する。


走塁に至っては盗塁のタイミングやスライディングを指導する。

簡単なことだろう。


「よう新井。元気にしてるか?」


「監督。お久しぶりです」


「去年の大会は素晴らしかった。まさに新井さまさまだな」


「元プロにそこまで。感激です」


「して。高校は野球を続けるのか?君ならプロ注目だぞ。まだ高校一年だというのに」


「いえ。一応野球部に所属していますが試合に出るかどうかはまだ」


本当は出ないが。


「そうか。期待してるぞ。じゃあ集まれ」


監督が選手を集める。


「今日特別コーチとして来てくれた新井だ。一応ここのOBでもある。

いろいろと教えてもらうように」


「「「よろしくお願いします!」」」


「はい。よろしくね」


色々と見て回ったがまぁチームとしては中の下くらいだった。

守備や投球などは良いが打撃があまりよくない。


「良い選手はいたか?」


「うーん。まぁ投と守は成長していたのでいいでしょうが打撃がこれだとリーグ優勝は難しいかと」


このチームは俺が引退した年から三年、優勝できていない。


「そうか。まぁその話はいい。どうせ優勝なんて夢のまた夢。で、新井は彼女はできたか?」


急に話し換えてきたなこのおっさん。


「その話ですか」


「その感じだとできてないのか?じゃああいつとかどうだ?川崎」


川崎優月。俺が中学二年のときに初めてコーチをしたときに入団してきた女子選手。

初めは稀に100㎞出るぐらいの選手だったがこの二年間で球速140㎞まで言った逸材だ。軟投派で140㎞。だがエースの投がいるため先発は難しかったが投と甲乙つけがたい投手であり、俺の教えでもある【俺が先制】打法で三回でホームランを量産している。


「いや小学生ですよ?何考えてんですか?」


「小学生と言ってもあいつも六年だ。そんな歳離れてないだろ?」


「だめです。俺はデートの時に職質なんてされたくありませんから。」


「むぅ。そうか。だが最近悩みを抱えているようだ。そのせいで野球にも身が入っていないだから悩み。聞いてやれよ。師匠なんだから」


歳の離れた女子小学生に悩みを聞くとかロリコンかと思われたりしないか。

そこが心配だがまぁ聞いておいて損はないだろう。


「お前最近悩み抱えてんだってな?話しはきくぞ」


「....お前じゃない。優月」


「優月。話してみろ。楽になるぞ?」


「ん。最近、気になる人ができたの」


ほほーん。そういうことか。


「おおッ?なんだ。ただのマセガキか

じゃあさっさと気になるそいつに告白して振られるんだな」


「振られるんだ」


ジッっとこちらを睨んでくる。

てか。恋愛経験のない俺に聞くこと自体間違っている気がする。


その後チームの全体練習が終わり家に帰った。

まぁ次の練習の時にアドバイスしてやるか。


そう思いながら農作業をする。

そしたら農道に一つの軽トラが止まった。


「博樹君。お久しぶりです。あの今月の支払いを。」


「あぁ玉木さんですか。別に親父は死にましたし借金の返済とか別にいいですよ」


「ですが。お父さんにはいろいろと助けてもらいましたから。それに農地までまだ隠してもらっていますし。」


「まぁわかりました。とりあえず今月分は貰っておきます。」


俺の父親は玉木のじいさんに金をあげたり農地をあげたりしたが。玉木のじいさんはそんなにしてもらうのは申し訳ない。と思ったのかあげた金を返したり農地の貸出量を支払ってくれている。決して少なくないわけではない。

まぁ俺の収入と比べたら雀の涙くらいの売り上げだがこうして払ってくれるから、俺もいい付き合いをさせてもらっている。




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