第4話

「そうだけど・・・どうしてそれを・・・」

「サンタ協会からの、派遣でしょ?連絡が来ましたよ」

「・・・そう・・・・」


びっくりさせようと、思ってたのにな・・・


「じゃあ、話は早いね。メリークリスマス。私がプレゼントの女の子だよ」

「君が?」

「うん。私はあおい。よかったね、私みたいな素敵な女の子がプレゼントで・・・」


彼は、項垂れた。

彼の名前は、確か・・・


えっ、これが名前?

変わってるな・・・


「えーと、エビフリャー5世くん。変わった名前だね」

「偽名に決まってるでしょ?本名でなくてよかったし・・・」

「そう・・・」


反応が、鈍いな・・・

とんだ肩透かしだ・・・


でも、悪い子ではなさそうだ。


「そんなわけで、私がプレゼント。受け取ってくれるよね?」

「受け取ってどうする」

「どうするって・・・私が彼女だよ。素敵じゃない」


彼は、頭をかかえる。

あれ?

不満なのかな・・・


まさか、チェンジとか言わないよね?


「あの・・・あおいさんだっけ?ひとつ訊いてもいいですか?」

「何?エビヒリャー5世くん」

「期限はいつまでですか?」

「何の期限?」

「彼女でいてくれる期限」


私は、忘れていた。

彼女というのは、恋人。

クリスマス限定とは、彼は言っていない。


もし、クリスマス限定なら、私は彼を傷つける事になる。

でも、お情けで付き合っても、彼は喜ばない。


彼は・・・・

私は・・・


「エビフリャー5世くん、本名は?」

「師走聖・・・しわすひじり」

「聖くん、少し待っててね」


私は、サンタ協会に連絡を入れる。

そういえば、詳しくは聞いていなかった。


連絡を終えると、私は聖くんに告げた。


「君が彼女に望むものは?」

「癒し」

「即答だね。なら話は早い」


彼となら・・・

自分の人生をかけてもいいかもしれない。


少し、頼りないけど・・・

少なくとも、大事にはしてくれる。


私は彼を抱きしめた。


「私が、君の心の支えになる。それが、贈り物」

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一番素敵な贈り物 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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