第3話

配達先の、彼の家の前に来た。


「彼、今頃はドキドキしたるだろうな。私みたいな素敵な女の子がプレゼントだもん。

絶対に喜ぶわ」


彼の情報は、入手済み。

なので、おおよその性格はわかる。


問題は、容姿。

人間は外見ではない。

でも、やはり多少は気になる。


まあ、素敵な彼女をリクエストするのだから、顔は期待していない。

でも、おとなしい子のほうがいい。


その方が、私も話しやすい。


でも、どこから入ろう?

煙突はない。


仕方ない。

窓から入ろう。


不法侵入?


大丈夫。

連絡は、行っている。


私は、窓を除く。


あっ、あの子だな。

おとなしそうな子だ。


きっと、喜ぶ。


こういうときは、私が積極的にならないといけないな。


窓を開ける。


「メリークリスマス」


彼と目が合う。


あれ?

反応が鈍いな・・・


「メリークリスマス」


彼が言葉を発した。


「君が、プレゼントの女の子?」


彼の言葉に、私は固まった。

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