プレミス・ログライン篇

一文で説明できない物語なんて、誰も読まない?

 今回は、いきなり書籍の引用からスタートしたいと思います。

 

 小説や脚本を売り込む(または稿)プロセスのどこかの時点で、売り文句が必要になる。エージェント・下読み担当編集者・映画会社幹部は、ほぼ毎日のように売り込みを受けているので、ついついすぐ鼻で笑ったりいらいらしたりしやすい。というのも、大したことのない売り込み(持ち込みや投稿)が多くて、まったく箸にも棒にもかからないものばかりだからだ。こうした連中はいわゆる門番なのだが、何としても傑作だという売り文句が「聞きたい」と考えていて、実際そうしたものを見つけたら、その熱意がぶわっと噴出する。そうなれば、そのストーリーや他の作品についてもどんどんブツを送ってくれ、となる。

 売り込み時の最大のミスは、コンセプト・前提(人物/主人公の紹介含む)ややもするとテーマを添えた全体像もないままに、いきなりだらだらとした「梗概(シノプシス)」を始めてしまうことだ。売り込みにもかたちが色々あって、いちばんの基本は、ストーリーの鍵になる要素にいくつか触れただ。たとえば、ストーリーの土台となるコンセプト、主人公、主人公がある問題・出来事に対して必要としているもの、主人公の行動に対する障害、守るべきものや危機などがその一文に凝縮されている。

 これらすべてをひとことで表す言葉がある。「前提(プレミス)」だ。

――『物語を書く人のための推敲入門』

「どんな映画なの?」こそ、勝負を握る鍵なのだ。「どんな映画なの?」こそが映画のすべてを語る。「どんな映画なの?」にうまく答えられるかどうかにすべてはかかっているのだ。

(中略)

 一行の文を書くことに集中してほしい。わずか一行だ。

「どんな映画なの?」の質問に、もしも一行ですばやく、簡潔に、独創的に答えられたら、相手は必ず関心を持つ。しかも脚本を書き始める前にその一行が書ければ、脚本のストーリー自体もよくなってくるのである。

(中略)

 私はこれまで数多くの脚本家と話をしてきたが、プロでも素人でも、脚本を売りたいと言ってきたときには、ストーリーを聞く前にまずこの質問をする。「一行で言うワンラインとどんな映画?」。不思議なことに、脚本家というのは脚本を書き終えた後でこれを考えることが多い。お気に入りのシーンにほれ込んだり、『2001年宇宙の旅』(68)のモチーフを取り入れるのに夢中になったり、ディテールにこだわりすぎたりして、単純だが肝心なことを忘れてしまう。つまり、どんな映画なのかひと言で説明できないのである。10分以内でストーリーの核心部を説明できないのだ。

 いやあ、まずいよ、それは!

(中略)

 脚本の内容を一行で簡潔に説明できないなら、ごめん、そういつまでも話は聞いていられない(私の関心はもう次の脚本へ移ってしまうだろう)。一行で読者の心をつかめないような脚本家のストーリーなんて、聞くまでもないからだ。

 この一行は、ハリウッドでログライン(もしくはワンライン)と呼ばれている。ログラインの出来の良し悪しを判断するのは簡単だ。たとえば、実際に売れたログラインを読んだとき、「何で俺はこれを思いつかなかったんだろう!? うーん、やるなあ」と思うもの……これは良いログラインだ。

――『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』


 今回のテーマは「プレミス(前提)」です。映画脚本の世界では「ログライン」と呼ばれます。まずはプレミスの定義をしっかりと押さえておきましょう。書籍によって多少のニュアンスの違いはありますが、簡潔にまとめると以下のように定義できます。


プレミス…ストーリーを一文(か二文)で表現したもの


 参考までに、いろいろな本からプレミスの定義を抜き出してみましょう。


プレミスとは「ストーリー全体を一文にまとめて凝縮したもの」のことだ。プレミスはストーリーのエッセンスを提示したものなので、ストーリー・アイデアを最大限に活用するためにどう進めるべきかを見極めることにとても役立つものとなる

――『ストーリーの解剖学 ハリウッドNo.1スクリプトドクターの脚本講座』

コンセプトがストーリーの土台となる構想、つまり「舞台」であるなら、前提(プレミス)とはその舞台上に置かれたドラマだ。前提とはそもそも筋書き(プロット)そのもので、人物や主人公の決断・行動が軸となり、一文か二文で要約される。

――『物語を書く人のための推敲入門』

プレミスとは「プロットとテーマを伝える一つの文」です。

――『アウトラインから書く小説再入門 なぜ、自由に書いたら行き詰まるのか?』


 カクヨムなど小説投稿サイトに投稿されている作品は、タイトルに長いもの(説明的なもの)が多いのが特徴的です。


 例えば、カクヨム連載から書籍化された作品の中から無作為にピックアップすると、


『佐々木とピーちゃん 異世界でスローライフを楽しもうとしたら、現代で異能バトルに巻き込まれた件 ~魔法少女がアップを始めたようです~』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887710622


『異世界でチート能力(スキル)を手にした俺は、現実世界をも無双する~レベルアップは人生を変えた~』【旧題:レベルアップは人生を変えた(仮)】

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882725960


などがあります。


「なぜWeb小説のタイトルはこんなに長いのか?」「どのようなタイトルにすれば読者の目を引くことができるのか?」など、Web小説のタイトルについて考察した記事はたくさんありますが、ときおり「Web小説のタイトル=プレミスである」という主張を目にすることがあります。つまり「プレミス的なタイトルをつければ、多くの読者に読んでもらえるのではないか」ということです。

 

 果たしてそうなのでしょうか。

 そのあたりの疑問を解消すべく、今回と次回の2回にわたって、


・プレミスとは何か

・最高のプレミスの条件とは何か


について解説していきたいと思います。

 なお、以降の記事では、引用する書籍によって「ログライン」という言葉が出てくる場合がありますが、ここでは「ログライン=プレミス」として取り扱うことにします。その点ご了承ください。


 この連載で紹介している(ハリウッド式の脚本術を応用した)物語創作本には、プレミスの重要性を強調したものが数多く見られます。中には、一章丸ごとを割いてプレミスについて詳細に分析した書籍もあります。

 なぜ優れたプレミスを書くことが大事なのでしょうか。


 書き手として成功するためには優れたプレミスを書くことが重要だという実際的な理由をいくつか挙げておこう。第一に、ハリウッドは映画を世界中に売り、公開週の週末に莫大な収益を上げることをビジネスとしている産業だ。だからプロデューサーはいつも「ハイ・コンセプト」なプレミスを求める。ハイ・コンセプトなプレミスとはつまり、観客がそれを聞いただけで内容を理解し、すぐに映画館に押し寄せてくるような、覚えやすい一文に凝縮された描写ということだ。ハリウッドではそういう映画が求められている。

 第二に、あなたの書いたプレミスは、あなたのインスピレーションでもあるということ。それは「これはすごいストーリーになりそうだぞ」と思えた「ひらめき」の瞬間だ。その興奮が、数ヵ月、時として数年にわたるハードな執筆作業に取り組めるだけの根気強さをあたえてくれるだろう。

 この事実は別の重要ポイントにもつながっている。プレミスとは、良くも悪くも、書き手であるあなたをそこに閉じ込めるものである。だからこそ、自分が選んだその特別な世界は、あなた自身が心から満足できるものでなければいけない。

(中略)

 優れたプレミスを書く必要があるもう一つの理由は、プレミスは、執筆中に書き手であるあなたが下すあらゆる決断のベースとなるものだからだ。キャラクターもプロットもテーマもシンボルも、すべてこのストーリー・アイデア、つまりプレミスから生まれたものだ。

――『ストーリーの解剖学 ハリウッドNo.1スクリプトドクターの脚本講座』


「あなたが書いているのはどんな小説ですか?」と聞かれたときに、長々と「梗概(シノプシス)」を説明するのではなく、ズバっと一言で(プレミスで)答えることができれば、多くの読者の興味を惹きつけることができます(もちろんその一文がすぐれたプレミスである必要はありますが)。毎日大量生産される作品の中から自分の作品を選んでもらうために、プレミスを意識することは戦略上非常に重要です。

 また、プレミスを書くことで、創作しようとしている物語の内容が明確になります。そして、執筆途中で迷ったり、横道に逸れそうになった場合に「そもそもどんな物語を書こうとしていたんだっけ?」とプレミスに立ち返ることで、ストーリーラインが明確な一本軸の通った物語が完成するのです。


 前置きが長くなりましたが、まずは『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』から「最高のログライン(=プレミス)」について学んでいきましょう。


『SAVE THE CATの法則』では、「最高のログラインの4つの要素」について解説されています。


①皮肉

②イメージの広がり

③観客層と製作費

④パンチの効いたタイトル


 では、順に説明していきましょう。


 まずは①皮肉。よいプレミスには皮肉があるといいます。『SAVE THE CATの法則』の著者ブレイク・スナイダーが認めた「皮肉の効いた最高のログライン」の例を2つ紹介します。



警官が別居中の妻に会いに来るが、妻の勤める会社のビルがテロリストに乗っ取られる。

──映画『ダイ・ハード』(88)


週末の楽しみに雇ったコールガールに、ビジネスマンは本気で恋をしてしまう。

──映画『プリティ・ウーマン』(90)



 皮肉は「つかみ」になります。そして、つかみがあれば、読者の気を引くことができます。皮肉を表現するために、プレミスには「予想不可能な事態」を表現するようにしましょう。


 ログラインとは本の表紙みたいなものだ。表紙が良ければすぐに中身を読みたくなる。自分の作ったストーリーには皮肉があるか? ログラインにもその皮肉が表れているか? まず確認してほしい。もしなければ、ログラインが間違っているか、そもそもストーリー自体に問題があるのかもしれない。だったらもう一度戻って、考え直してみよう。ログラインに皮肉があるかないかは、脚本に何かが欠けていないかどうかを発見するチャンスなのだ。まともなログラインができないようじゃ、いい映画なんて書けっこない。

――『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』


②イメージの広がり


 よいプレミスは、その一文を見ただけで、作品の全体像が見えます。良いプレミスからは、パッと花が開くように全体像が想像できたり、潜在的な可能性が見えたり、何か面白いことが起こりそうな予感がするものです。


 本書では、例として次のプレミスを紹介しています。


彼女は完ぺきな美女――お酒を飲むまでは……

――映画『ブラインド・デート』(87)


 ほら、何だか想像できないかい? 超美人の女の子がデートに行き、お酒を飲んでハチャメチャになる。男はびっくりし、彼女をなんとかしてあげたいと思う。だって……彼女こそ運命の女性だからだ! このログラインにはさまざまな可能性が秘められているし、いろんなことを想像させる。

(中略)

 君のログラインには、この広がりがあるだろうか? コメディーであれ、ドラマであれ、であれ、ログラインの設定は読み手の想像力をかき立てるだろうか? このストーリーはどうなるんだろうと興奮できるだろうか? もしできないとしたら、まだそのログラインは不充分だ。もう一度くり返して言っておこう。もしログラインができなければ、映画全体について考え直したほうがいいかもしれない。

――『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』


③観客と製作費


『SAVE THE CATの法則』は映画脚本に関する本なので、製作費の話が出てきますが、小説の場合製作費はあまり関係がないのでここでは省略します。しかし、観客(小説の場合は読者)については無視するわけにはいきません。

 そのプレミスは、自身のターゲットとなる読者にとって魅力的なものになっているでしょうか? 


新婚ホヤホヤのカップルが、離婚した親(計4人)のもとでクリスマスを過ごすことに……。

──映画『フォー・クリスマス』(08)


 この映画が狙う客層は明らかに『ミート・ザ・ペアレンツ』(00)や続編『ミート・ザ・ペアレンツ2』(04)と同じである。どちらも予算は中規模で、どんな客層にも受ける全客層向け映画である。『フォー・クリスマス』のログラインからは、次のような脚本家の意図がはっきり見える。新婚カップル役には最大のターゲット層──若者──を引きつけるために20代のスターを起用するだろうし、さらに年配の客も呼び込むために両親役には年配の名優を当てるだろう。ジャック・ニコルソンとか? ロビン・ウィリアムズ? もしくはダスティン・ホフマンかな? そうそう、『ミート・ザ・ペアレンツ』で、ロバート・デニーロがいい味を出してたじゃないか!

――『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』


④パンチの効いたタイトル


 ここで「タイトル」が登場してきました。先に、「Web小説のタイトル=プレミス」なのかどうか、という問題提起をしましたが、『SAVE THE CATの法則』の著者、ブレイク・スナイダーは次のように述べています。


 最後に必要なのは、タイトルだ。インパクトのあるタイトルとログラインが組み合わさると、ボクシングの連続パンチみたいにノックアウト確実である。良いログラインに必ず皮肉が必要なように、良いタイトルにも皮肉は欠かせない。しかもストーリーが透けて見えるようなタイトルでなければダメだ。

(中略)

 良いタイトルに不可欠な要素の一つは、ストーリーを象徴するような言葉だ。再度『・クリスマス(原題「4Chiristmases」)』を例にとってみよう。確かに世界を揺るがすほどの、最高のタイトルではないかもしれないが、いい線いっている。

(中略)

もう一度強調しておこう! とても大切なことだから。それはつまり……。

「どんな映画なのか?」をきちんと表している!(ってことだ)。

――『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』


 ブレイク・スナイダーによると、タイトル=プレミス(ログライン)ではなく、両者を組み合わせることで最大の効果を狙うことが大事だということになります。

 もちろんアメリカには日本のようなWeb小説の文化はありませんので、必ずしも本書の主張がそのまま当てはまるわけではありません。

 そこで、先に紹介した(カクヨム連載から書籍化された)2作品のタイトルを改めてみてみましょう。



『佐々木とピーちゃん 異世界でスローライフを楽しもうとしたら、現代で異能バトルに巻き込まれた件 ~魔法少女がアップを始めたようです~』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887710622


『異世界でチート能力(スキル)を手にした俺は、現実世界をも無双する~レベルアップは人生を変えた~』【旧題:レベルアップは人生を変えた(仮)】

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882725960



「異世界でスローライフを、現代で異能バトルに巻き込まれた件」

「異世界でチート能力(スキル)を手にした俺は、無双する」


 最高のプレミスには、①皮肉(=予想不可能な事態)があると解説しました。上の2作品の傍点部を見れば、「○○する予定なのに」「○○をも」という形で、「通常はこうなるはずだが、そうなっていない(それ以上になっている)状態」を巧みに表現しています。

 他にも「○○だが、なぜか○○」のパターンも皮肉のあるタイトルといえるでしょう。そもそも異世界転生モノというジャンルが、「現実世界では○○なのに、異世界では○○になっている」という皮肉(や逆転)を含んでいるため、非常に相性がよいといえるでしょう。


 次に③読者層という観点から、2作品のタイトルを見てみましょう。

 カクヨムに投稿しているという時点で、ある程度読者ターゲットは絞られているはずです。「異世界」というワードは両作品に共通しており、その他「バトル」「チート」「無双」など、このジャンルの作品に特徴的なワードがちりばめられているおかげで、読者は安心してこの作品に接することができます。読者へのアピールとしては申し分ありません。


 では②イメージの広がりという点についてはどうでしょうか。

 ここは判断がなかなか難しいところです。

 読者にイメージを広げてもらうためには、ある程度「含み」のあるタイトルのほうが効果的かもしれません。しかし、上記の2作品のタイトルはかなり説明的なので、「どういう作品なのかわかりやすい」というポジティブな効果がある反面、読者のイメージを喚起させるにはやや説明的過ぎる可能性があります。


 ということで、「Web小説のタイトル=プレミス」かどうか、という点については、①皮肉、③読者層という観点からは、まさにその通りという感じがしますが、②イメージの広がりという観点からみると、両者は必ずしもイコールではないのかもしれません。したがって、『SAVE THE CATの法則』の著者ブレイク・スナイダーのいうとおり、④パンチの効いたという方法で読者にアピールすることが戦略上重要になってきそうです。

 そもそも小説は、長い(説明的な)タイトルでなければならないというルールがあるわけではありません。タイトルを無理やりプレミス化するのではなく、カクヨムの「キャッチコピー」や「紹介文」の項目でプレミスを表現し、それをタイトルを組み合わせることで、読者にアピールしていくという方法を検討してみてはいかがでしょうか。


 さて、ずいぶん長くなってしまいましたが、もう少しお付き合いください。

 

 『〈穴埋め式〉アウトラインから書く小説執筆ワークブック』には、小説のアウトラインを作成するためにのテンプレートが多数収録されていますが、その中にプレミス作成用のテンプレートも収録されています。設問に答えていくだけで、魅力的なプレミスが作成できるという代物です。

 本書の理論編に該当する『アウトラインから書く小説再入門 なぜ、自由に書いたら行き詰まるのか?』とあわせて読むと理解がより深まるはずです。



 先に紹介した『SAVE THE CATの法則』で解説されている「最高のプレミスの条件」は、比較的抽象度が高く、具体的にどのようなことを書けばよいのか、初心者にはややハードルが高い印象が否めません。

 それに比べ『〈穴埋め式〉アウトラインから書く小説執筆ワークブック』では、もう少し具体的に、プレミスで書くべき要素をまとめてくれています。それは以下の6つです。

 


 本書には、この6要素を導き出すための設問が用意されています。このエクササイズをこなす過程で「どんな物語なの?」に対する答えが明確になっていくのです。



 いかがでしょうか。

 プレミスを書くために必要であるばかりか、そもそも「どんな小説を書きたいのか」という根本にかかわる設問ばかりなので、ぜひこのテンプレートを活用してみてください。

 では、最後に本書に収録されている、すぐれたプレミスの例を紹介しましょう。「どんな物語なの?」という疑問に見事に答えてくれています。


 孤児ヒースクリフ(主人公)は養子となり(シチュエーション)、やがて義理の妹キャシーの愛を求める(目的)が、キャシー(敵対者)が近くに住む裕福な男を夫に選んだこと(災難)により、復讐のために冷酷な仕打ちに乗り出して周囲の人々に対抗する(葛藤と対立)。

――エミリー・ブロンテ作『嵐が丘』


 農場での退屈な暮らしに飽き足りなくなった(シチュエーション)少年ルーク・スカイウォーカー(主人公)の夢は、家を出て宇宙戦闘機パイロットになり、会ったことのない父に恥じない自分になること(目的)。だが、反乱軍のドロイドを買い取った後でおじとおばが殺され(災難)、ルークはドロイドの所有者である美しい姫を解放すべく、邪悪な帝国軍(敵対者)と破壊的なデス・スターを阻止する(葛藤と対立)方法を探す。

――映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』



 今回はプレミスについてお話をしてきました。

 プレミスは、自作に興味を持ってもらうために必要であるだけでなく、作者自身が執筆中に下すあらゆる決断のベースにもなります。

 この機会に、ぜひ「どんな物語なの?」について考えてみてください。次回もプレミスの話になる予定です(もう少し具体例をたくさん挙げて説明します)。


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