非常に参考になりました。
質問なのですが、「罪深き者」を定義するときの基準は、作中の価値観と読者の価値観、どちらの方が良いですか?
例えば、神聖ローマ帝国のフリードリヒ2世を主人公とする場合、イスラム教徒と仲良くするなど中世ヨーロッパの基準では悪とされる行為が目立ちます。しかし、現代の価値観でみると「最初の近代人」と呼ばれる優秀な人物です。
作者からの返信
こちら、回答としては「読者にとってのアンチヒーロー」ということになるかと思います。
引用の箇所は、読者を感情的に惹きつけるためにアーキタイプを使うという文脈で語られている部分なので、あくまで「読者とは正反対のタイプ」であることがアンチヒーローの要件になるのではないでしょうか。
例えば「人殺しが良しとされている世界」が作品舞台だったとした場合、「作中の価値観」に対するアンチは「人殺しをしない」ということになりますが、「人殺しは悪いこと」という価値観をもっている読者にとってはそのような人物がアンチヒーローには映らないかもしれません。
回答になっているかどうか心もとないですが…。
参考になります。
ありがとうございます。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
長期連載になりますが、どうぞ今後もお付き合いください。
フィルムアート社様、毎日連載が忙しくて更新に気づかず失礼致しました。
今回出てきた「キャラ」から作るか「ストーリー」から作るかでずか、御社以外の書籍でもかなり意見が別れています。
ただし「プロット」「ストーリー」を先に決める方法だと、それを活かせる「主人公」や「キャラクター」を導き出さなければならないため、難易度が上がってしまいます。世界に合わせてふさわしい「主人公」は、よほど小説を書き慣れないと導き出せません。
逆に「主人公」「キャラクター」を先に決める方法だと、「主人公」の能力を最大限活かせる世界観「プロット」「ストーリー」を考えられます。なので、主人公の能力を余さず読み手に見せつけられる利点があります。
どちらが「キャラクター」と「プロット」を最大限に活かせるか。
これを考えた場合、「キャラクター」から作るのが初心者には向いているように感じます。
『SAVE THE CAT!』はハリウッド脚本術の書籍なので、「主人公」を演じる俳優の性向によって「キャラクター」が変わってしまうので、先に「プロット」「ストーリー」から考えるというアプローチなんだと思います。
純粋に小説の創作だけを考えるなら「主人公」「キャラクター」から決めたほうが遥かに作りやすいですね。
脚本術と小説作法の違いにも言及されると初心者にはよりわかりやすくなるでしょう。
次回も楽しみにお待ちしておりますね。
分かりやすくて、自分もやってみようと思います。
何となくで決めていたものをこうした形にしてみると、書けそうな気がしてきます。
ありがとうございます。
作者からの返信
ありがとうございます。
質問リストや穴埋めリストのようなものがあると便利ですよね。
今後もみなさんに役立つ情報やツールを提供していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします
質問①:
Qこの物語の主役は誰か
A二人のモリアーティー。(教授と令嬢)
・タイプ
前者は完全に「罪深き者」。背徳と罪深さ、そして知性を圧縮した振り切った悪役。
後者は「普通の人」→「英雄」。背徳と罪深さに向き合い、英雄になれる…かな?
・特徴
前者は悪行に躊躇いが無い。放っておけば世界を滅ぼしに行く外道……が、責任感と真摯さもある為、教えるとなれば心強い。
冷静で、決して憶測でモノを言わない。
後者は善であろうとする。若さ故に限界を知らない。意志が強い。
ひた向きな努力型なので前者の教えを吸収する。
前者の影響を受けているが、割と情動的。
・価値観
前者は『道徳と倫理は捨てた。』というタイプ。冷酷で無慈悲。悪役の鑑。
ただし、教え子は例外で、思いやりを持っている。だからこそ、嫉妬はする。
後者は『道徳と倫理が脆いものとは知っているけど、それでも人の善意を信じたい。』タイプ。要はお人好しで隙が多い。
善意ではあるが、善意故に強欲。
・欠点
前者は能力的には問題こそ無いものの、一歩間違えれば世界を破滅させる系の爆弾。
後者は、情動的故に分析能力や観察眼にバイアスがかかる。
試しに実行してみましたが、キャラに向かい合う良い機会になりました。
こうして質問形式になると、人物像が漠然としないので、勉強になりました。有り難う御座います。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
今回の記事は読むだけでなく、実際に使っていただくことが大事かと思いますので、大変うれしく思います。
「感情」から書く脚本術はもはや愛著です。
フィルムアート社様が公式連載してくれなければ、その存在を知る事はなかったかもしれません。
ありがとうございました!
作者からの返信
『「感情」から書く脚本術』をご愛読いただいているようでありがとうございます。
この連載がいろいろな本に触れるきっかけになってくれると嬉しいです。
すごく勉強になりました。
キャラクターは、物語を彩ってくれる大事な部分なので、しっかり向き合わなければいけませんよね。ありがとうございます、フィルムアート社様!
作者からの返信
ありがとうございます!!