47

魔結晶研究所に魔結晶が運び込まれていく。

帝国から魔結晶の第一陣が届いたのだ。

どうやら皇帝は約束を守ってくれたらしい。

小さな物は少なく、中くらいから大きな物が中心だった。

十分な量がたまったことを確認し、ジンは研究所の稼働を許可する。

魔結晶研究所は魔結晶を研究し

魔結晶内に含まれるマナを抽出する重要な施設である。

例えば、人間の背丈ほどの大きい水晶から採れるマナの量が100とするならば

手のひらサイズの水晶から採れるマナの量は0.5ほど。

小粒を大量に仕入れてもあまり意味がないのだ。

大きいサイズ程採れる量が増えていくのだから。


マナは固有ユニットと呼ばれるものを生成するのに必要である。

固有ユニットとは、国特有のユニットすなわち兵士であり

ガチャや課金で出てくるキャラクターとは別である。

今まで戦闘用の兵士は特定の条件が必要なものを除いて

どの国でも作れる一般的な物だ。

手間もかけずにできる一般兵とは違い固有ユニットは研究ともに進化していく。

そして、特徴が国に一番反映される兵士だ。

例えばエルフの国ヴァーミリオンではウッドゴーレムから

最終的には精霊が作れる。

ドワーフの国オゥマでは機械式の兵器から最終的に巨大な機械人形が

作れるようになる。

多種族中立国家レイエフもといアルファノア国の場合はこの辺が少し違ってくる。

カルマ値の影響である。

0スタートのカルマは善行を行えばプラスされ、悪行を行えばマイナスされる。

プラス5~マイナス5までは中立となり、プラス6以降は善に

マイナス6以降は悪になる。

カルマはどの国にもあり、エルフやドワーフの国が悪になりえる。

善の国が気に入らない国に戦いを仕掛け最終的に悪に堕ちたこともあるからだ。

他にも特殊なタイプの国家でカルマの影響を受けないものもある。

善と悪とはゲーム上における一種の属性のようなものなのだ。


さて、現在のアルファノア国のカルマ値はマイナス12であり原因は明白である。

シュグニテ国を焼き払ったことで大きくマイナスに傾いてしまったのだ。

加えて、戦争を連続して行っていることも関係してくる。

選択の余地がないわけだが、ジンとしては別に何も問題はなかった。

マナを消費して固有ユニット:アデプトを作成する。

アデプトは一見人間ような見た目をしており、手足は細長く顔色は青白い。

このただのやせ細った人がいずれ強力な魔法使いに変貌する。

生成時は簡単な魔法しか覚えていないので、

ジンは『魔法図書館』を開放、建造する。

魔法図書館はアデプトの呪文習得を行える施設である。

生成されたアデプトが図書館に入っていく。

ここからはずっとアデプトを量産をしていくだけだ。

魔結晶が届いているうちはこの作業の繰り返しだろう。

だが、これだけをしているわけにもいかない。

ジンは今の国全体の状態を見る。

何かが足りないところは増強を行い安定させる。

気になる点は大陸外の情報である。海があるのはわかっているのだが

自国の船が外洋に出ていないため周辺に何があるのかわからなかった。

次の建造予定は決まった。港の建設と船の作成である。

探検船を複数作り東西南北に送り込むことにした。





※補足

【名前】アデプト

【詳細】多種族中立国家レイエフ悪属性固有下級ユニット

【タイプ】魔法型

やせ細った青白い人間の見た目をしている。大きさも人と同じだ。

他のキャラやユニットとは違い、アデプトは

魔法を覚えるごとにレベルが上昇する。

生成初期の魔法は火をつけたり水を出したりと簡単な魔法しか覚えてない。

魔法図書館で火球やスケルトン召喚といった強力な魔法を習得することができる。


※本編登場なし

【名前】使徒

【詳細】多種族中立国家レイエフ善属性固有下級ユニット

【タイプ】剣士型

最高レベルに達すると背中に光の羽を纏う天使系ユニット。

天使の見た目なのに初期は魔法が一切使えず剣と弓が主。

基本的に飛べるので移動が非常に便利。

神聖教会で神聖魔法を覚えることができる。

回復やアンデッドなどの浄化を行うことができる。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アルファノア戦記 @cho26

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ