不満は支離滅裂に……
砥上
不満
コミュニケーション障害。
略してコミュ障。
今を生きる多くの人々が抱えている病気の一種であり、主な症状は他人に自分の言いたいことを伝えられない。もしくは自分の意思が伝わらない等、人付き合いが必須なこの現代において最も恐れられている病気である。
これ程までにこの病気が広がった理由を自分なりに考えて見た所、昔には無く現代に広く認知されている大きな違いに気付いた。
それは、情報である。
時間を遡り江戸時代頃。
その頃の江戸時代にとっての情報とは高札と呼ばれる看板に書いてある事だけであり、その情報を広く多くの人達に伝えるにはやはり口頭での通達が最も効率が良かった。
それゆえ、江戸時代の人達のコミュニケーション能力の高さは異常とも言える。
しかし、それがどうだ?
時代が進むに連れ情報の面は類稀なる進化を遂げ今や片手のみで知りたい情報以上の事が分かってしまう。
情報が進化するにつれコミュニケーションの面も成長を続けチャットのみでの会話で事足りるようになってしまった。
この進化はコミュ障陰キャぼっちの俺には嬉しいことだ。
誰かに伝えるという事は嫌でも他人と関わる事になる。
それが例え嫌な奴でもだ。
個人には知る権利というものがある。それゆえ口を固く閉ざす事は出来ない。
顔面が崩壊している癖に謎にプライドと自信が高くナルシストで親が金持ちである事を利用し幼い頃から自分の欲望に自制が無く。
手当たり次第に女に手を出し、断られたら親の権力を振るい。人生を舐め腐っていて、自称『俺TUEEEE!!!』を名乗る。
低身長横長吐く息ババコンガの投げる糞。年中手汗ギトギト、肌年齢40代で同じクラスメイトの周りからのあだ名は『前世全人類の排泄物』呼ばわりされている灰田でもだ。
あいつはマジでヤバい。
俺はあいつの事をscpの親類が何かだと思っている。
絶対産道通って生まれてないだろ。
まあ、兎に角何が言いたいかと言うと……俺はこのコミュニケーション能力がすべての今の世界が嫌いだ。
しかもなんだあの、入学式の日に皆の前でやる自己紹介は、まるで意味が分からない。
ちなみにあれの目的は『クラスの皆に自分の事を知ってもらう』事らしい。
共感性羞恥的公開処刑に名を改めた方が良いんじゃないか?
中には生徒一人一人の自主性を重んじてそんな事をやる学校が無いと聞く。
羨ましい。
事前に知っていればここに来ることも無かったのに……。
俺は全国の中高に勤めてる全職員に今一度声を大にして言いたい事がある。
「ホームページに【私共の学校は入学式の日に自己紹介をします。】と書いておけー!!!」
はあ〜、スッキリした。
届くといいなこの言葉。
話が二転三転と脱線を繰り返しているが気にしないでくれ。
俺も何を言っているのか分からなくなって来た。
そういや、時々ネット等を見ていると『コミュ障は心の迷いです。もっと自分に自信を持って!』とか言うふざけた文を見る事があるのだが、あれはなんなんだ?
まあ、確かにね。
自分に自信が無い。それは理由かもしれない。
相手に上手く伝わっているか不安になる事もあるし、本当に伝えたい事はこれなのか疑問を持つこともあるよ?
だけどさ、自分が出来たという自信を他人に押し付けるなよ。
時々テレビとかでいるんだよな。
「諦め無ければ夢は必ず叶う!」
とか言っている奴。
そりゃ、叶うだろ。
金があれば。だけどな。
自分が失敗から学んでそれを成功に繋げました何て見て何になるんだ。
失敗したら人は学習をする。
それゆえ、それが成功に繋がる事も有るだろう。
でも、そんなの全人口のたった数パーのほんの一握りだけが経験できる言ったら奇跡のような物なんだよ。
自分の過去を語るのは自由さ、でもな。
自分の発言には責任を持て、その言葉を信じて何度折れても諦めず努力をした人がいたとしよう。
人には向き不向きがある。
その人は自分にとって不向きな方を何日も何年も続けた。
でも、それが無駄だと分かった時、その怒りは発言元に行く。
人には発言権がある。
それと同時に先程も言ったが責任がある。
自由とは責任との調和である。
無駄と分かった時点で辞めなかった方にも責任はあるけどな。
ここで話は少し変わるが、皆は人との繋がりはどうだい?
家族、友達とか自分の周りには常に多くの人が存在している。
それは自分にとっていい影響もわるい影響も与える。
教わった物を吸収しどう活用するかは自分次第だが、善悪の判断は怠らないようにな。
万年ぼっちの俺が何を言ってるんだ?だって?
確かに、俺にはおよそ友人と呼べる存在は居ない。
それどころか家族との交流も記憶を探っても手で数えらる程度しか無い。
別に不仲と言う訳では無いが、コミュ障の究極体、家族共喋れないを発症しているだけだ。
家族と喋れなくなったらいよいよ病院案件だからな。
俺が言いたいのはコミュ障は心の持ちようで変化する程簡単な物じゃないと言うことだ
たった数日話さなかっただけで、声の出し方や他者との喋り方を忘れてしまう。
それはもはや病気の一言で片付けて良い事なのだろうか?
あ、そういや、クラスの陽キャがこんな事を言っていたな。
「第一声が『あっ』の奴はコミュ障」と。
うるせえわ!
こちとらそんなの情けない第一声出したくないわ!
でも、仕方が無い。
コミュ障である事で自分の世界に閉じ篭ることができる。
自分のテリトリーに突然ノックなしに他人が入ってきたらビビるだろ?
意識外からの声には対応してないんだよ!
だから、中学校の頃の俺のあだ名をカオナシにした奴マジで許さねぇ!
スッキリした。
言いたいこと全て吐き出した。
途中からもはや文になっていたか怪しいが、たまには不満を漏らすのも悪くない。
コミュ障ぼっち陰キャにとって屋上はHEAVENだ。
あんな、人だらけの教室を天国とかほざいていた鈴木。あいつはもう……ダメだ……。
「帰ろ」
イヤホンを耳に刺し、俺は人知れずそっと学校を後にした。
誰も俺には気付かない。
しかし、それで良い。
それが、俺の価値なのだから。
不満は支離滅裂に…… 砥上 @togami3
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます