第48話「最終話」:量子CPの「量子超越性」にIBM反論
サイカモアが、3分20秒で解いた問題を解くには、世界最速のスーパーコンピューターでは約1万年かかると推測していた。9月にオンラインで漏えいしたグーグルの草稿によると同社はプロトタイプの量子プロセッサー・サイカモアとオークリッジ国立研究所の世界最速のスーパーコンピューター・サミットの両方に統計数学の問題を与えた。
これに対して、サミットを開発したIBMは、サミットは、その問題を解くために数千年どころか2日半で完了できたはずだと主張した。しかも時間をかけて最適化して実行すれば、2日半よりも短期間で完了できる可能性もあるという。それでもグーグルのサイカモアが記録したとされる処理速度より遅い。
そもそもカリフォルニア工科大学教授のジョン・プレスキルが量子超越性という概念を定義した当初、量子超越性を示すには量子コンピューターが古典的コンピューターでは、できない事をする必要があるとされた。グーグルのライバル企業が、量子超越性を達成しようという同社の計画に疑問を呈したのは、今回が初めてではない。
グーグルが2017年に量子超越性のマイルストーンに近づいたと発表したあと、IBMの研究チームは、ゴールポストを動かしたかのような研究結果を発表した。またグーグルは2018年初頭にブリストルコンと呼ばれる新しい量子プロセッサーを発表し量子超越性の実証準備が整ったと主張した。
その後、独自に量子コンピューターの開発をしていた中国のアリババのチームが、ブリストルコンは、グーグルが発表した事を実行できないとする分析結果を公開した。IBMは今回、グーグルに対して技術的な懸念を表明するうえで挑発的ともいえる手法を選んだ。しかしガンベッタによるとIBMの動機はグーグルを敵に回す事ではなく、「量子超越性」という用語への無益な期待をなくすことにあるのだという。
「量子コンピューティングは重要な技術でありコンピューティングの方法を変えるはず」と、ガンベッタは言う。「もう大げさに語るのはやめて、量子コンピューティングのロードマップに注視しましょう」量子コンピューティングの研究に取り組んでいるほ他の物理学者たちも、量子超越性が最優先事項ではないことに同意している。
それどころか、IBMとグーグルの争いも優先事項ではないという。
「わたしは量子超越性に関するこういった主張はあまり好きではない」
「一度は、「量子超越」とされた結果が、翌日にはひっくり返って古典的かつ、劣った結果にもなりうる訳ですからと、ルイジアナ州立大学のダウリングは言う」
「むしろ、特定の問題に対してマシンがどのように役立つのかに興味がある」
「メリーランド大学の教授で量子コンピューティングのスタートアップであるIonQの共同創業者、クリストファー・モンローも同じ意見だ」
IonQは巨大テック企業2社の学術的な論争よりも初期の量子コンピューターの実用的な用途を提示していくことのほうに関心があるという。モンローは「今回の量子超越性を巡る議論によって、眠れない日々を過ごすようなことはないと思いますよ」と語っている。
*この量子コンピューターとスーパーコンピューターの計算速度の比較記事は、Woredの記載されていたものを引証させていただきました。
この論文を見て、達也は、2つのアメリカ巨大コンピューター企業の将来のコンピューター市場を取り合うための宣伝合戦に過ぎないと冷ややかに見た。アメリカ製だろうが中国製だろうが日本製だろうが、このテクノロジーを使うか否かは、使う側の判断にかかっている。
それは、コストに対するパフォーマンスだと断言した。安くて良いものなら、それを使うのは、当たり前だと仲間達にメールを送った。こんな世界の企業の市場争い話ばかりで肝心の化学進歩は、なおざりにされていると達也を含め、日本中のコンピューター技術者達は考えていた。しかし、こんな、非現実的なことを論じても、化学の進歩に、ちっとも貢献しないとなげいていた。「終了」
ソニーの研究員とジョブズ ハリマオ65 @ks3018yk
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