第26話、月の珍味とイースさん
シトシトと小雨の降る夜に僕等は犬獣人と蝙蝠獣人と四つ腕巨人との大決戦に参加した。
正直、僕等は何をしたら良いのだろう。四つ腕に何かしら弱点はあるのだろうか?イースさんに聞いてみた。
「ガグハ 日光デ弱ルト聞イテイル」
今は夕飯後ぐらいですが……。
「後ハ 巨体ダカラ脚ダロウ」
見た目通りの傾向と対策なんですね。
「問題ハ腕ガ多イ、回避ヲシテ 余裕ガアレバ攻撃ダヨ」
という事で四つ腕の周りを遠巻きに走りながら石を投げ、レンと僕とで長いロープの両端を持って走り四つ腕の片足を引っかけて転倒させた。
「ヨシ、皆デ カカレ!」
どこに隠れていたのか犬獣人が30人以上、蝙蝠獣人5人、そして僕達で寄って集って潰した。
犬獣人達が両目を蹴り、別のが腹を殴り、僕が止めの一撃と頭を切り裂いた。
6メートルの巨人だからやたらと体力があったが数の暴力で叩き潰した。やっぱり力には暴力だ。
こうして突然の夜の一仕事は終わり、いつの間にか雨も止んでいた。
話し合いの結果、四つ腕はピックマンさん達が貰いバラして魔石があったら僕等に渡す事に代わりに屋敷を値引いく事になった。四つ腕を何に使うのだろうと聞いてみたら。
「ガグ?あれは皆で喰べるんですよ、結構な珍味……なんですよ。貴方も食べますか?」
イースさんが人間から遠ざかるから止めた方が良いと言うのでパーティー全員で辞退しました。
夜通しで嬉しそうに四つ腕を解体しているピックマンさん達犬獣人と無口というか顔に目も口も鼻も無い蝙蝠獣人達を置いて僕等は寝た。蝙蝠獣人達も四つ腕を食べるのだろうか?
イースさんは解体を機械でカシャカシャ撮っていた。
次の日、結局は四つ腕からは魔石は出無かったけど、僕等は大きすぎる屋敷を得てイースさんは裏庭に小屋を建ててあれこれ色々と造り出したのだった。
そして屋敷のイースさん部屋にはピックマンさんの描いた犬獣人の絵が飾られた。
僕にはよく判らないけど良い絵なのだろうか?
「コレハ良イ絵ナンダ」
絵描きとモデルの両方の人生を変えるほどらしい。
何だか犬獣人のピックマンさんの絵が少し笑った気がした。
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