第24話、骨付き肉とイースさん

日も暮れかけ雨も降りだしたので僕等は少し戸惑いながらもピックマン氏の勧めで屋敷に泊まる事にした。

「少……し……手伝ってくれない……か?」


埃っぽかったので開けていた屋敷の窓を手分けして閉めて回った。流石は持ち主らしくピックマン氏は僕等が1階の窓を閉めている間に素早く2階全てのを終わらせて帰って来ていた。


「食料はあるが調理……は苦手なんだ、手伝ってくれるかい……?」


そして地下の食料庫に残っていた多くの肉との野菜を持ち出して皆で料理して食べた。確かに帽子とコート姿のピックマン氏は動き難いのを入れても料理が苦手そうだった。普段は何を食べているのだろう?


「最……近は骨付き……肉ばかり……を食べてい……たよ」


獣人の特徴の大きな口で野菜も肉も骨もバリバリと噛み砕きながらそういった。

近々この地を離れる予定なので屋敷を早めに売る先を決めたかった。なので残しても勿体無いので僕等に食料を食べて貰いたかったそうだ。


建物としてはまだ十分使えるのだけれどちょっと間に空き地が挟まれているけど隣が墓地だ。もちろん教会のキチンとした手続きをして埋葬しているからゾンビ等のアンデッドは出ない。ただ耳が遠い墓守の老人が入り口の小屋に住んでいるだけだ。


雨の中、商人ギルドの方が帰るそうだ。家族と仕事が待っているそうだ。話が纏まったら商人ギルドで書類を作成してくれる約束をして馬車で帰っていった、お疲れ様です。

彼が帰るのを待っていたかのようにイースさんの触手が動き彼の機械が口を開いた。


「仲間ノ居ル夢ノ国ニ行クノカイ?」


そうイースさんに言われてピックマンは驚いて持っていた骨付き肉をテーブルに落とした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る