第16話、高価な香りとイースさん
次の日の各自で仕事の準備をして、と言っても楽な仕事だったので飲食物くらいなので冒険者ギルドの中の店で買って終わり。
「魚の丸干し! 火で炙って食べるんだよ」
念願の干物の魚も買った!魚の目に紐を通してある!? どんな味なのか楽しみだ。
「薬ヲ売リタイノダガ、ドコデ売レバ良イカ?」
それで時間があるので夕食まで町を見て歩こうか、となったんだけどイースさんが受付さんに相談した。そうしたらギルドであるだけ買う!?
祭りで使うから買い取り価格は高くしてくれる。
「どんな祭りで、どんな薬だ?」
カチャカチャと取り出したのは3つの茶色のガラス瓶だ。蓋を蝋で封をしてある。
「ではこの部屋で待っていて下さいね、担当者を呼びますから」
奥の部屋に通される、イースさん以外の僕達はオマケだ。暇だし仕方ないよね。
少しして薬の専門の女性職員さんのハイドラさんが登場した。軽く挨拶をして瓶の封を小さなナイフで解く。削れた蝋を丁寧に布で取り粉を細い匙ですくう。
「白い…… 純度が高い?」
小皿に取り分けた粉は小麦粉より白い。
それをハイドラさんは指でつまみ擦り合わせたり匂いを嗅いだりした後に呪文を唱えた。
「高純度じゃないですか!」
呪文の結果に納得したの彼女はニコニコと呪文で粉に火を付けて立ち上る煙を手で自分に寄せるようにして匂いを確かめた。
「匂いも間違いないですね」
少し僕達にも甘いような痺れるような匂いの煙がが漂って来た。少し呆けてきた。
「窓ヲ開ケナサイ」
扉を明けながらイースさんはハイドラさんに指示をしていた。煙に呆けた僕達はただ聞いているだけだった。
部屋に風を入れ、イースさんに強い臭いの瓶の薬を嗅がされて僕達は目が覚めた。
「海外の良い香りのお茶なのよ」
ハイドラさんに高そうな紅茶を頂いたのだけど僕達は味も香りも全くわからなかった。
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