第12話、次の仕事とイースさん

 僕達はヨグスは次の冒険者パーティーに引き継ぎをしてスミスさん達と別れた。最初の護衛仕事はこれで終了だ。アネモネさんはスミスさんに雇われて旅を続けるそうだ。


 彼女は何とは言わないが豊満だ。彼女と話す時のスミスさんの視線からすると好みのタイプだろうから、そのうち良い話が聞けそうだ。幸せになって欲しい。



 それで次の仕事を探してみたけど町まで帰る都合の良い依頼は無くて代わりに港町までの行商人さんの護衛だ。急いで帰る用事が誰も無く、海魚は川魚より美味しいらしいので遠回りして帰る事にした。美味しいは幸せだ。


「「「食べにいこう!」」」


 今度の仕事の依頼人は行商人のジョンさん、ロバと馬車で主にこの町から穀物と港町から塩を運んで行ったり来たりしているそうだ。今回は僕達全員が乗れる隙間は無いので歩きで5日の仕事だ。ただ天候や何かで到着が遅れても5日分の料金だ。予定内で着けば良いな。


 食料や足りない物を買って半日は休んで、明日の朝に出発だ! 行程としては2日歩いて途中の村に、さらに2日半で港町に着く予定。


 女子達は2人で買い物があると別れたので、僕とレンとイースさんは食堂で港町の噂を聞いてみた。


港町は交易で栄えていて物価は少し高め。塩や海産物は安くて行商人はそれを目当てに集まり、大商人は他の地からの珍しい品に集まる。

その為か色々な人間やデミヒューマンも多く見た事も聞いた事も無い種族もいるみたいだ。


 イースさんの仲間もいるのだろうか?


「他ノ者ハ先ニ旅立ッタ、イス族ワタシダケダロウ」

 良く意味が判らないけどイースさんの種族の生き残りは彼独りだけみたいだ。

ピピピピキニシナイ


それと冒険者としては山賊や盗賊を生きたまま引き渡すと報償金がかなり多く貰えるそうで最後は宗教的に母なる海に返す仕来りとか。変わった神様だなあ。


「それで儲かるならそれでいいじゃん」

レンは宗教に興味は無いらしい。まあいいんだけどね。


「何で酔っ払い達はあんなのを飲みたがるんだ……?苦くて酸っぱくて旨くない」

 僕とレンは安くて質の良くないエールを飲んだらしい、僕もそう思う。


 少しフラフラするし明日に備えて今日は宿に行って早めに寝てしまおう。



 海も初めてだし港町インスマスが楽しみだ。

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