第8話、山賊とイースさん
護衛の仕事の朝、ギルドに集まった僕達はベテラン冒険者達に挨拶をして出掛けた。ゴブリン退治は行われるそうで、僕達の方にも動物やらが来るだろうなあ。
行商人のスミスさんと合流して出発だ。
「
彼の自慢の馬車は変わっていて馬車の左右に棚がありそこにちょっとした商品が置いてあり町や村に着いたらすぐに売り出せる。
「棚の分ちょっと馬車が重いんだけどね」
2頭の馬にブラシをかけて馬車と荷を確認してから出発した。僕達もスミスさんの2台目の馬車だ。こっちは塩入りの壺、水、飼い葉等が積んである。その合間に僕達も入り込み斥候のレンだけが屋根に登る。御者はスミスさんの店の人だ。大切な馬車と荷を冒険者に任せないな。
進む順番は僕達の馬車が先、お仕事だからね。
何だけど退屈な時間が続く……訳でも無く、時々動物が顔を出す。
襲って来る訳でもないので進んでいるけどゴブリンや魔物が来るだろうから気は抜けない。
「馬車停止!」
そして昼休みを取るよりも進んで距離を離す事を選んだ僕達に襲って来たのは予想外の山賊だった。
「敵だ!」
道に木が斧で切り倒されたようだった。
レンが見つけてずいぶん手前で停まったら、ぞろぞろ出るわ出るわ20人ほどの山賊(仮)。
「金目の物と食いもんと女を置いてけ!」
パーティーの女性のエムとイブを見てニヤニヤして、イースさんを見てギョッとしていた。
「スミスさん、ドウシマス?」
「ごめん、逃げるから時間を稼いで!」
泣きそうな顔でスミスさんは馬車の向きを変えようとしていた。
好き好んで冒険者になったのだから時間稼ぎをするのは仕方ない、
「別に倒しても良いんでしょう?」
僕はイースさんに向かって首を頷いた。
「擲弾発射シマス!」
「ポヒュッ、ポヒュッ、ポヒュッ」
気の抜けた音がして山賊の方に何かが飛んで僕達は耳をふさいだ。
「皆さん耳をふさいで!」
3回大きな音がして山賊がいた所と隠れていた所が丸ごと吹き飛んだ。慈悲も無く区別も無く。
「終ワリマシタ、落チ着イテ下サイ」
「
混乱していたスミスさん達と馬達も直ぐに落ち着いた。
魔法使いのイブが地面に対して横方向に
「
山賊の五体満足な者が1人いた、それ以外は楽にしてあげた、幸多からん事を。
ここから少し離れた所で夜営した。
あまり、気にならなくて気になった。
「
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