第6話、ヨグスのイースさん

 僕らは色々とあったけど見習いからGランクの冒険者に成り、昨日の今日で実感も湧かないがこれで半人前を名乗れるようになった。


「半人前でも冒険者だ」

 僕もちょっとだけ誇らしい。


 嬉しいんだけど、当たり前だけどまだ駆け出しGランクのモノしか受けられないので雑用っぽい事だけたけど。



 そうそう、あのまま僕らはパーティーを組んだんだ。戦士アル、弓手のエム、斥候のレン、魔法使いのイブ、そしてイースさんの5人だ。


 なかなかバランスの取れたパーティーだと思うし、あのトラブルを一緒に乗り越えた……、いやトラブルを見ていた仲間としてうまくやって行けるだろう。


 そんな僕らは仕事の次の日は休みを取り体を休める事を決めた。


 採集なんかは別にして大仕事で疲れたまま、また仕事をしたら危ない!ただでさえまだ慣れていなくて失敗しやすいのだから注意をして休もうとなった。


 それで今日は祝勝会というほどでは無いが皆を集めて食事会を開いた。ヘンリーさんは仕事で辞退したが、イースさんは飲み物だけで参加!

 あの百合の花束みたいな口で水やスープを啜っている、違和感を感じるけど……そのうち慣れるだろう。


 そして猪肉をこれでもか!というくらい食べた僕らは森林の豊かさに感謝と恐ろしさに畏怖を忘れないようにして明日からは採集と見つけたら鳥や兎や小鹿等を探すことになった。


 安定した森林での行動を取れるように慌てないで覚えて行こう。そこそこ儲かり懐がちょっと温かいから出来る事だ。まあ普通の相手ならイースさんもいるし大丈夫だろう。


「それでパーティー名はどうしようか?」

 これが揉めた!僕は何でも良かったんだけどそれを言うと可愛らしい名前にされたら困る!


 とりあえず様子を見ながら水を暇の合間に少しずつ飲んでいる。


 エムはエルフの言葉で花の名前にしたくて、レンは大型の猫科の動物の名前で(あいつ猫好きなのか?)、イブは偉人の名前を貰って付けたく、イースさんはキョロキョロと笑っていた。


 結局はイースさんの知る強い神様の名前を借りて僕らのパーティー名は「ヨグス」となった。



 なんかイースさんは「イアイア」とハサミを鳴らして喜んでいた。

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