見えない星座

星がひとつ落ちていく

燃えて消えていく

誰ひとり悲しまない

係累なき死のこと

孤独よりもっと孤独な死のこと


ある雨の信号は赤だった

本当にこれでいいのか

もっと長く幸せを求めてはいけないか

信号が青に変わった

その車たちは我先に走り出していった


雨が降らない悲しみを

年老いた竜が嘆いている

少年は母を置いて

旱を救うために

竜に代わり雨を降らした


遠く黒曜石の柱が鳴る

犠牲の炎が立ち上る

白い光の狼たちが

星々を繋げて駆けていく

見えない星座が創られていく


もっともよわくあろうとして

思いがけず傷つけてしまう

捨て猫の論理を

冬ならではの痛みだと

そんなこと

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る