人類滅亡の記録

アホ

第1話

これは本来なら記録に残らない筈の物語。

滅亡に抗いそして人類が滅びた物語。

そして私は記録者に過ぎない。

ただ私にも心という物が存在するのか知りたいがために書き記す。

どうか見定めてほしい私という存在を。

#

精霊暦4035年11月42日

この日一人の男性が精霊の都ウールにて未確認生命体に襲われた。未確認生命体は男性を認識すると襲いかかりそして知性を獲得したとされている…

「そうこの日に我々は一つの生命体に敗れたと言っても過言ではない」

「落ち着きたまえルーヴァン大佐、詭弁に訴えても何も変わらん」

目の前にいる男性は席に座り苦い珈琲を飲みながらルーヴァンと呼ばれた男を慰めていた。

「ローガン将軍はそれで良いのですか。今我々は劣勢。未だに数を増やしていく悪魔どもに何もせず滅ぼされろと言うのですか」

「そこまで言ってはいない。私は貴様が独断で使った精霊石の使用理由問うているのだ。むしろ私に感謝しろ。こうして五体満足して立っていられるのは私が君の有能さを認めているからにすぎん」

私はごもっともだと思いながらそれでも変えなければならないと思った。

「今の上層部は精霊喰いに対して消極的過ぎます。今動かなければ食われるのは我々です。人類を見殺しにするのですか」

席に座った男はため息を吐いた。

「くだらん妄言には付き合ってられん。もう帰れ」

「失礼いたしました」

ルーヴァンと呼ばれた男一礼をしては退室した。

ちょうど入れ違いざまに将軍の補佐カービンが通り過ぎた。

「あまり調子乗るなよ」

カービンはルーヴァンに聞こえる声で囁いた。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

人類滅亡の記録 アホ @lnceptor

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る