31 精霊王②
「あのさ… 私が今、 気分がすごく悪いんだ」
「…キャアッ」
エストはゴブリンの頭を足で踏みにじり、 静かな声で話した。
ヒカリはエスト姿に隅にすくんで涙を浮かべて恐怖に震えていて、 エストの周りには数匹のゴブリンたちが倒れていた。
エストに踏まれていたゴブリンは恐怖に満ちた目でエストを見上げた。
「ねえ、 私が探さなきゃいけない人がいるけど、 もしかして、 こいつを見たことある?」
殺伐とした顔に微笑を建てるエストはハルの姿が写っている写真をゴブリンに見せ、 冷や汗を流していたゴブリンは首を横に振った。
「何だって?ないって? それなら仕方ないな~」
「ひー、 ひーっ!」
殺伐に笑っていたエストは深刻な顔をし、 ゴブリンをにらんだ。 そしてゆっくりと手を持ち上げ、 エストの拳には青色がうろつい始めた。
「知らなければ死ななくちゃ。 そうじゃないの?」
「キ、 キャァァァ!!」
ゴブリンの切実な叫び声はダンジョンの中を大きく響いた。
エストは自分の手についたゴブリンの血を払い落として、 ヒカリに歩いた。エストのそのような反応にびっくりしたヒカリはしゃっくりをした。
「ふぐうっ! い、 妹くん、 血が…ふぐうっ!」
「早くハルを探しに行こう。 どうもここはあいつに危ないところみたいだから」
ダンジョンのモンスターのレベルは1~10程度と予想される。
現在、 ハルのレベルはわずか1すらなっていないレベルであるために。 ここに生息していたモンスターたちの餌になるかもしれない。
そうするために、 何よりも、 ハルを早く見つけなければならない。
エストは深いため息をついて「本当にしようがないな~」と独り言を言って、 髪の毛を端正にポニーテールにまとめた。 ヒカリはエストの行動に首をかしげて、 エストは自分の手を足首に置いた。
「魔法までは使いたくなかったのに…」
「い、 妹くん? 魔法も使えるの?」
ヒカリは不思議な表情でエストを見ながら言ったし、 エストはそんなヒカリの反応に無表情な顔で話した。
「うん、 少しは使えるよ」
「おお…!す、 すごいなのだ!」
エストは足首にのせていた手にピュラを集中した。 青色の光はエストの指先を乗って流れ、 足首にしみこんできた。
その瞬間、 大きな白い魔法陣が描かれ始めた。 ゆっくり回転する魔法陣は白い光を吹き出しながら、 魔法陣で風が流れ出た。
『下半身強化(Haste)』
エストは基本的な魔法は身体を強化する魔法を使用する。 身体強化魔法中にはいくつか存在するが、 その種類は『上半身強化(Strength)』、 『下半身強化(Haste)』、 『感覚の増幅(Focus)』がある。
この魔法は一時的に体を強くさせてくれる魔法で、 長所は効果がすごいが、 持続時間が短いというのが短所だ。
現在、 体調が優れないエストには一番使うおける良い魔法だ。
ヒカリはエストの魔法を見ながら瞳を輝かせた。
「おお!…こ、 これが魔法!」
超能力を使用するヒカリには魔法の存在自体が珍しくて見せた。 エストはそんなヒカリを見て笑みを浮かべてヒカリの足にも魔法をかけてくれた。
「持続時間は10分。 10分以内に早くハルを探さないと」
「うわぁ!頑張るのだ!」
ヒカリは自分の足に白い光が輝いていることに不思議な顔で「うわあ! 魔法だ! 魔法!」とし、 とても好きな反応だった。
エストは早く、 周りを見渡した。 魔法の持続時間は10分。まず、 ハルのピュラの流れを探すのが先だった。
エストとハルはお互いに契約になっている状態。 だからこそハルのピュラを訪れることはあまり、 困難なことはなかった。 エストはハルのピュラを感じるために静かに目を閉じた。 そして精神を集中した。
見慣れた感じが少しずつ身に感じられ始めた。 エストとハルのピュラは糸のようにお互いを続いてくれていた。 エストはそれのピュラを使用し、 ハルを探し始めた。
その瞬間、 何かを感じたエストははっと目を覚めた。
「見つけた!…」
「…え?もう見つけたのか?」
ヒカリはエストの反応に首をかしげ、 エストの青色の目はピュラの影響で灰色に変わっていた。 そしてエストの目の中には小さな魔法陣が分かった。
「ヒカリ! 早くいどうしよう! こいつ、 地下にいるみたい!」
「ち、 ちょっと…う、 うわっ!…」
エストはヒカリの手をつないで速いスピードで走って行った。 下半身強化のおかげで、 ものすごいスピードで走るエスト、 そしてエストに捕まってるヒカリは非常に面食らった表情だった。
「…は、 速い! 早すぎるのだ!」
「黙って、 ついて来い!」
「う、 うわぁ!」
ヒカリの悲鳴はダンジョンの中を埋め尽くし、 エストは静かにハルのピュラが感じられるところに駆けつけた。
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