30 精霊王①
「…貴様か!?貴様が私に石を投げつけたんだ!」
「……」
何だ、 この生意気なちびは?
私に石を見せながら、 泣きべそをかいている可愛い黒髪の女の子は私に怒っていた。
私は私をにらんでいる女の子の視線をそらした。
「許せない! ちょっとでも許せないよ! ここの主人である私に石を投げるなんて!」
「…ここの主人?」
私は主人という言葉にやつを眺めた。
すると、 アミールは腰に手を置いて堂々と胸を張って私を見つめた。
「そうだ!ここは私の家! 先週からここで暮らすようになったぞ!」
「…はぁ?」
先週からだって?
私はアミールの言葉に頭の中にいるすべての情報をゆっくり整理し始めた。
村人たちが今ここのダンジョンによって被害を受けていると話した。
被害を受け始めたのはおそらく1週間から2週間の間だ。
今、 私の前で堂々とした表情で話しているアミルというやつは、 一週間前からここに住み始めたと話した。
ということはつまり…
「あ、 探査は終わり~ もう奴らを探して家に帰ろ~」
「え!?か、 歸っちゃうの?」
私が体を回してアミールを無視をすると、 アミールは慌てた顔で「なんで、 そのまま歸るの?」だとし、 涙を浮かべた。
私はそんなアミールの反応に面倒というように目を細めて、 アミールと目を合わせた。
「そりゃ、 仕事終わったから?」
「え、 え!? で、 でも!…早すぎるんじゃない? つまんないじゃん! 私がちょっとだけ登場するエキストラキャラクターみたいじゃん!」
一体、 何が言いたいのか、 こいつは…。さっきは「私に石を投げるなんて! 許さない!」とて言ったくせに。
べそをかい、 私のズボンのすそをつかんでいるアミールの反応に私は「うわ、 ださ!…」とミールを見下ろしながら叫んだ。
アミールは「どうか、 帰らないで! 私と遊んでください!」と泣きべそをかいた。
すごく面倒くさい! こいつ!
「しくしく!」
「……」
私は今ここで何をしているんだろう…。
アミールは涙ぐむ、 涙をぬぐっていたし、 私はそんなアミールをじっと眺めた。
やつの正体はその言葉どおり,闇の精霊王のアミール。 年はおよそ500歳程度。 精霊王の中で一番幼いと言われている。
これまで他の精霊王たちは、 契約者たちと契約をしながら親しく暮らしている反面、 アミールは今まで契約をしてみたことはなかったため契約者を探すため多くの所を歩き回ったと話した。
「ひどいな…初めて入った人間客なのに…」
いや、 私もここに入りたくて入ってきたわけじゃないんだけど…。 と泣いているアミールに言えなかった。
私は今ここで何をしているのか。 涙を拭いているアミルを見て私の頭の中がぼうっとなった。
現在、 私がいるところはアミールが暮らしている、 かなり大きなサイズのワンルームだった。
ところで趣向が本当に独特ならしく、 家の内部はすっかり人形でいっぱいだ。
それもタコ模型の人形が…。
「あ、 そうだ!の、 飲み物! な、 何が飲みたい? ジュース?お茶?水?
「あ、 み、 水でいいよ…」
ああ、 あのきらめく瞳を見ていると帰りたいって言えろのができないじゃん! ちくしょう!
私がここを訪れた初めてのお客さんであるだけに、 すごく気持ちが良さそうに見えた。
しかし、 私は今頃あたしを訪ね回りながら心配しているエストとヒカリを考えると、 私の気持ちがますます焦ってきた。
もし、 私がこうしていることをエストがわかってければ明確に「へえ? 私たちはあんたを心配して探したが、 のんびり遊んでたって…?」と言い、 私を殺そうとするかも。
「……」
どうすればいいがな…
エストを考えているので背筋がぞっとしてきた。
僕が冷や汗をかいていても立ってもいられない時アミールは水を持って来たのかお盆の上にカップを掲載して、 私に近付いてきた。
「水!持ってきた!」
アミールはお盆を私の前に置いたし、 私はお盆の上に上っているコップを見ながらとても驚いて口がふさがらなかった。
「……コップが大きすぎますけど!?」
そうだ。 コップの大きさはおよそ大王パフェを留めてあげられるほどの大きさのコップに水が詰め込まれた。
ぎりぎりでこぼれない水を見て、 私は目が飛び出るほど丸くなった。
「こ、 これは全部飲めないんだよ!」
「え~」
アミールは残念だという表情で「つまんない~」と言って、 僕の視線を避け、 頬を膨らませた。
こいつ私を完全にバカにしている。 間違いない。 頭を一発殴ってやりたい。
アミールは「え~ 面白くない~」という顔で目を細くして私を見つめたし、 私はそんなアミールの反応に深いため息をついた。
「アミール」
「うん!」
「一つ気になることがあるけど」
「なに? なに?」
瞳を輝かせながら私に近づくアミールの反応に困惑した私は後にちょっと退いた。 近すぎる!
私は冷汗をかきながらアミルと目を合わせ、 アミールは何がそんなに楽しいのか笑顔で私をまじまじ眺めた。
私は慌てた自分を落ち着かせるために大きく深呼吸した。
「それがね、 アミール。 お前、 もしかして…」
「ちょっと待って!ストップ!」
「うん?」
アミールは私に手を伸ばして顔を背けた。
私はアミールの突然の手ぶりに私はしばらく言葉を止めた。 アミールは何か予想したという表情で私を横目でちらっと見ながら顔を赤らめて堂々とした表情で話した。
「…お、 おれと契約したいんだろ?ふふ、 やっぱり私はすごい精霊王だね!べ、 別に!すごいように見えないやつみたいだけど! と、 特別に初めて会った人間だから!契約してあげるよ! 感謝しなさい!」
「……」
こいっ、 何か誤解をしているようだけど…
私はアミールの発言にじっとしてテレながら「ウヘヘ~」するアミールを眺めるだけだった。
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