29 ダンジョンで行こう!③

「…あり得ない」

「……い、 妹くん?」


エストは土の床に座り込んでぽかんとハルが消えた所を眺めた。


ハルがダンジョンのトラップによって自分が見る前で消えてしまった。 もし、 自分がもう少し早く気づいたらハルを求めたはずだとし、 エストは鈍感になった自分を自責した。 ハルは能力がない平凡な人間だ。 私が守ってくれなければ、 その子は一人で何もできない普通の人間子だ。


「…あのう、 大丈夫なのか?」


ヒカリはエストに近づき、 慰労をしてあげるために肩に手を上げようとした。 でも、 エストはヒカリのそんな行動に彼女の手を振り切った。


「…触るな」

「……」


エストはハルとマナがない他の他人が自分を触ることをとても嫌った。 ヒカリはエストの反応にしばらくぽかんとエストを見上げていたが、 でも、 それもつかの間にっこり笑ってエストをひしと抱いた。


「妹くんはやっぱり可愛い! まるで、 私の弟を見るようだ!」

「な、 何だよ!これ放して! くっつくな!」

「心配するな! 妹くん!きっと、 肩くんは無視するのだ! あたしの超能力をかけて誓うぞ!」


ヒカリはにっこり笑ってエストを見て、 エストはそんなヒカリの反応に何の返事もしてくれなかった。 肯定的なヒカリの性格にエストはこれ以上言葉が通じないことを感知したのか深いため息をついた。


…そのばかは本当に無事かな?


エストは真っ暗なダンジョンの入り口を眺めながらハルが無事であることを祈った。


◇◆◇◆


「一体、 ここはどこ!?」

エストは真っ暗なダンジョンの入り口を眺めながらハルが無事であることを祈った。ㅁ私は現在、 真っ暗なダンジョンの中を歩き回っている。 幸いなことに、 ポケットの中に入っていたスマホのバッテリーがまだ残っていたのでスマホを使用して暗かったダンジョンの中を光で照らしながら歩いて行った。


冷たい水滴は一滴ずつ落ち、 私の肩を濡らし、 このような不気味の空間に私一人だけいるということ自体を考えると、 恐怖が押し寄せるようだった。 私は深いため息をついて、 これからどうしなければならない悩みに陥った。


ここはダンジョン、 そして私たちの任務はここを探査すること。 村人たちが被害を受ける原因を探るため、 ここに入居した。 もちろん、 私一人あったが。


とにかく、 今頃エストとヒカリもダンジョンに進入することに成功していたものと予想している。 そのやつらは何も心配しなくても大丈夫だ。 問題は僕。 この世界で何の能力も受けず、 ただもらったものとはエストだけだ。


しかし、 最も大きな問題点は私のそばにエストがなければ、 私は何もない平凡な人間に過ぎないというのだ。 運動神経もゼロ、 喧嘩もだめだし、 この世界で使用するというピュラの使い方も知らない。


「……」

考えてみると、 できることは何もなかった。


ああ~ 終わった。 私の2番目の人生は終わったよ! 結局、 私ができることは何もなく解決できることは微細ホコリの大きさよりない。 私はは自分自身がとても情けないと感じて、 頭を抱え絶叫に陥った。


「うわぁぁぁぁぁっ!ちくしょう!いったい、 どうすればいいの?」

こんなことだと知っていたら、 ゴミの女神を脅してでもチート能力を得るべきだったのに!くそ!


私は怒りを抑えられずに地に転がっている罪のない石ころを足で蹴飛ばした。 私の足に厄介払いしての石はどこかに飛んで行き、 何かに当たる音とともにかわいいなうめき声が聞こえてきた。


「ふぐぅっ!…」

「ん?…」

何?この音は?


私は緊張した顔で音が聞こえてくるところをスマホンを使用して暗かった空間を明らかにした。 その瞬間、 その場所には片隅にうずくまって頭を抱えている黒髪の小さな女の子の姿が見えた。 女の子は4歳から5歳くらいに見える体格だった。


「痛い!誰だ! 闇の精霊王であるアミル様に石は投げたやつが!」

「……」


自分を精霊王だと言って、 自称する女の子は涙を浮かべて私を見上げ、 私は頭を掻きながら静かに女の子を見下ろした。 私をじっと見つめている目つきがエストととても似ているため、 見せてきたため、 私はこの場所をいち早く脱したい衝動を感じた。


私の直感が本能的に知らせている。 こいつと絡むと、 これからの私の2回の人生がもっと大変になるということを。


◇◆◇◆


「ハル~ どこにいるの!」

「肩くん~?」


ダンジョンの中に入ってきたエストとヒカリは、 周りを回りながらハルを探していた。 ヒカリとエストの周りには小さな星が漂い、 暗かったダンジョンの中を明るい光で明らかにしてくれていたために移動することに不便さがなかった。 ヒカリは、 超能力を使用して周囲を明らかにしてくれる星たちをダンジョンの奥深くに送り、 ハルを必死に探し始めた。


だが、 戻ってくる結果は何もなかった。


「ああ!もう! あのハルはどこにいるんだ!…うっ、 おなか、 おなかが痛い…」


エストは苦しい腹を包み、 座り込んだ。 そして泣き顔を浮かべながら、 「本当にむかつくのー!」と叫んだ。 それを横で見ていたヒカリは指を口にくわえて、 「いったい、 どこにいるかな? 肩くんは」と話しながら物思いにふけった。


その瞬間だった。


「キャアアッ!」

「お?ゴブリンだ」

「…なんだ、 なんでゴブリンがここにいるの?」


ゴブリンは片手に兵器を持ってヒカリとエストの前に現れ、 ヒカリは、 嬉しい表情をし、 ゴブリンを見て神経が高ぶっていたエストは、 自分たちを眺めているゴブリンを今すぐにでも消滅させるような目でにらんだ。

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