28 ダンジョンで行こう!②

私は依然とエストをおぶうしてヒカリと一緒に移動中にある。


「エスト、 その…痛みはどう?」

「……」


エストは何の返事もしなかった。 結局、 エストの病気の原因はヒカリが全部説明してくれた。それは病気といえば病気としてもらうこともできるが、 簡単に説明すると「その日」と説明する方が楽そうだ。


それでも、 一つのびっくりしたのは魂のみ込められている武器ではなく性別が完璧に区分されているということを今日初めて知った。 私はただ、 外形だけ女性の姿に変わっているとばかり思っていたが、 、 そんなことはなかったようだ。


ヒカリは笑顔でエストの背中を軽くたたきながら言った。


「妹くん!今日だけ我慢するのだ! 明日ならよくなるだろう!」

「…ぶっ殺…すぞ」

ふむ 、 よほど怒っているようだな。


エストは静かな声でヒカリをにらみつけて,話し、 ヒカリはエストのそのような反応に「うっ…」とし、 後に退いた。 どうやら、 ヒカリもエストを怖がるらしいだ。


「あそこにあるのがまさにそのダンジョンなのかな?」


私は500メートルほど離れている大きな洞窟のようにできたところを見て言ったが、 私の言葉にヒカリとエストはそこに眺めた。 ヒカリは手に持っている指導や洞窟を繰り返し見て笑みを浮かべた。


「おお!やっと着いたな! やっぱり、 肩くんはすごいなのだ!」

いや、 別にしたことはないんだけど?

「ハル…早く終わらせて、 家に帰ろう…休みたいぃ…」

「…う、 うん」


エストは私に体をさらに密着しながら愛嬌が混ざった声で私の耳元でささやくように述べ、 エストの艶めかしい可愛い声に妙な気がした。


「……」

き、 急にどうしたんだよ、 エスト! お前じゃないみたいだよ!


私はエストのそのような反応に「そ、 そうね! 早く済ませよう」と笑い飛ばして、 エストはそんな私の言葉に「…うん」とし、 深く頭を下げた。 エストと私をぼんやりと眺めていたヒカリは少し寂しい見える表情だった。 だが、 それもしばらくヒカリは、 私たちの前に立って両腕を上げ、 幸せな笑みを見せた。


「アハハ~面白そう! ダンジョン探査~ 肩くんと妹くん! 本当にドキドキするんじゃないのか! 青春の始まりだぜ!?」

…青春とはちょっと遠くない?


でも、 幸せに見えるヒカリの顔を見ていると、 クエストを受諾して良かったという気がした。


「おお~ドアがすごく大きいのだ!」


ヒカリは大きな洞窟のドアの前に立って、 あちこちを調べ始める。 固く閉ざされてある門は働きかける考えをしなかった。 ドアの所に近づいたエストと私はアイリスに受けたダンジョンの鍵穴がある空間を探し始めた。


「いったい、 鍵穴がどこにあるんだ?」


いくら探しても見えない。 ちくしょう、 ダンジョンを探査することより鍵穴を探すのがもっと難しい。


「肩くん~ここに何か書いてあるみたいだけど?」

「ヒカリ、 とりあえず鍵穴を探すところから手伝ってくれる? それは後で読もう」

「ええ、 でも。 肩くん!何かだいじな話が書いてあるみたいだけど…」

「あ!見つけた!」


ヒカリの言葉が終わると同時に私はダンジョンの鍵穴を探すことに成功した。 鍵穴は大きな獅子模型の口の中がかぎの穴だったのだ。 ヒカリは、 表紙の前でしゃがみ込んでそれを見ていたが、 私はおぶうし っていたエストをそっと床に降ろした。


「じゃぁ~ 鍵を入れてみようか?」


私は真摯な顔で鍵を取り出してライオン模型の口の中にある鍵穴に鍵を入れて、 その時だった。


「肩くん!危ない!」

「ハル!」

「ん?…」


ヒカリとエストの切羽詰った声が聞こえてきた。私は徐々にダンジョンの扉が開かれるのをじっと眺めた。 しかし、 ここで変な部分があった。 どうして体が傾いているのだろう。


私の目に見える全てのものが傾いて、 空間がいびんでいた。 私はゆっくりと首を回してヒカリとエストを眺めた。 驚いた表情をしている二人は私に走って来ていた。


何が…起こっているのだろう…


私の体は何かに吸い込まれていく感じと共に周囲が次第に暗く染められていた。 私は慌てた顔に後ろを振り向いて、 私の後には大きなブラックホールが私を引き寄せていた。


「ハル!だめ!」


エストは、 私に手を伸ばして私の手を握ろうとしたが、 私も無意識的にエストの手を握ろうとした。 言うが、 その時すでに遅しだ。 私の下半身はすでにブラックホールに吸い込まれており、 エストとはだんだん遠ざかって行ったからだ。


「……」

私、 死ぬの?


急な状況にどきっと怖くなった。 闇の中に吸い込まれた私は何の音が聞こえなかった。


「 !」


エストは私に何か言うように大声を出したけど、 僕は何の音も聞くことができなかった。 ますます、 薄れていくエストの姿に私は水に浸るようにだんだん下に吸い込まれ、 闇は私を完全に飲み込んでしまった。



「…はっ!」

私ははっと目を覚ました。

「こ、 ここはどこ?…」


冷え切っており、 冷たい洞窟の中に横たわっていた私は瞳を転がしてあたりを見回した。 長く伸びている洞窟はまるで、 エジプト古代遺物がありそうな洞窟だった。 どうやら、 ブラックホールによってここに落ちたようだ。

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