26 クエスト②
「それは無理!」
私は深刻な顔をしてまでもウェイドの提案を拒絶した。 しかし、 その瞬間、 慣れた声が聞こえてきた。
「え!ひどいなのだ! 肩くん! 私は肩くんが好きなのに !」
「いつ起きた!?」
ヒカリは眠りから起きたのか、 僕を見て頬を膨らませていた。 「悲しいなのだ!」と叫んでいるヒカリの反応に私はずきずきしているこめかみに手をついた。 私は4次元のような性格を持っているヒカリも管理してくれる自信がない。 エストも管理するのが難しいんだよ。
しかし、 ウェイドはそんな俺の心を理解しておらず、 「くすくす」笑いながら、 指を3本を広げた。
「どうせ、 このダンジョンは3人以上だ。 よろしく新入り」
「……」
…この人、 わざと私を困らせたいとする思惑であることが確かだ。 今、 この状況を楽しんでいることは明らかだ。 私は仕方なくヒカリも一緒に同行することにした。 ヒカリは輝く瞳で「ウオオオ!-」と情熱的な姿を見せてくれた。
本当に、 見れば見るほど不思議なやつだ。
◇◆◇◆
「ふむ、 この子が、 今回減点されたの…」
「はい、 そうです。 アメス様」
新しい白くて広い事務室には若い女性と見られる黒髪の美女が座っていた。 そして彼女のそばには秘書に見えるめがねを使っている男性はアメスという女性に行って文書を渡した。 彼がアメスに渡した文書は今回、 神の塔入団の合格者のリストが記されている文書だった。
「セバスチャン」
「……あたしの名前はセバスチャンではなく、 チャールズです。 アメス様」
「チャールズだったんですか? これからセバスチャンに名前を変えてください。 分かりましたか?セバスチャン?」
「それは不可能です。 アメス様」
「今、 今私の命令に背いているんですか? セバスチャン?」
「申しわけございません、 アメス様。 でもあたしの名前はチャールズです」
朝からコメディ番組を見るような彼らの会話には尋常ではない雰囲気が感じられた。 アメスは静かに文書を見ながら一日とエストのリストを確認した。
「うーん、 本当に独特な人ですね。 擦れ擦れの点数で合格って…それも固有能力はエゴマスター…」
アメスはテーブルに置かれているコーヒーカップを持ち上げて丁寧に熱いコーヒーを飲んだ。 エゴマスター。その職業はハイカル大陸で今まで一人だけであった特異な職業だった。
この世界には3つの武器が存在する。 エゴソード、 魔剣、 名刀 この3つの剣は容易に見物することもできないほどとても指揮しながらもあら無視するほどの価値を持っている武器だ。 エゴソードは兵器に魂が込められた兵器であり、 契約者が成長すれば、 成長するほど強まる最高の武器だ。 そして現在、 この世界に存在するエゴマスターは引退を宣言された元Sランク9位そしてハルを含め、 わずか2人だけだ。
二番目に魔剣はいかなる魔法も使うことができ、 相手の魔法を切れる、 特異な剣だ。 最後に名刀はこの世界でたった3本しか存在しない特別な剣だ。 現在3つの名刀はサンスル、 クラナド、 エルティボ。こんなに3つの神の塔Sランキング1位が所持していると知られている。
魔剣に対する情報はないが、 エゴソードと名剣の情報は確固として文書に書かれていた。 アメスは実力は非常に悪いが、 エゴマスターのハルに関心が生じ始めた。 評価試験でEランクで開始することも難しい反面、 減点の対象で、 ギリギリの試験に合格したやつは神の塔の歴史上ハルしかいなかったからだ。
通常、 試験に合格した冒険者はEランクではなく、 DランクからCランクで始めるに決まっているんだ。
「今回、 シーズンは本当に楽しそうですね。 セバスチャン」
「はい、 そのようです。 アメス様。…あ、 そしてあたしはチャールズです」
アメスはそっと微笑を浮かべながら続けて文書を確認した。
「それでもハルという方は寂しくなさそうですね。 Eランクが一人じゃないから」
アメスは言葉が終わると同時に、 手に持っていた書類を机の上に載せた。 そこには眠そうな顔をしているヒカリの資料が書かれていた。 ヒカリの資料の下には大きな文庫が書かれていた。
『警告:危険対象人物、 評価、 不可能(E Rank)』
◇◆◇◆
ダンジョンの探査の日が近付いてきた私たちは現在、 神の塔の前に立った。 とても久しぶりに来てそうか、 ちょっと慣れない感じだった。 ヒカリは目を輝かせながら両腕を虚空に伸ばした。
「うぉぉぉ!出発するのだ!~」
とても楽しそうだ。
私はぎごちない笑みを浮かべ、 ヒカリに話した。
「ヒカリ、 いったん、 鍵があってこそ、 ダンジョンに入ることができるんだよ。だからね、 少しは落ち着いたらどうかな?…」
…と親切にヒカリに言ったが、 ヒカリは興奮をおさまらず、 「青春! 青春が始まるのだ!」と言って走り回れ始めた。 ああ、 もう頭が痛い。 やばい。 このような激しいストレスを受けることになれば、 私の前頭葉の機能が止まってしまい、 日常生活に支障が来てしまう。
「うう…痛いぃ…」
エストは昨日から体調が回復しないのか、 船を包んでいた。 真っ白な肌が青く見えるほど顔色がよさそうに見えなかった。 私は心配がいっぱいの目でエストを見て言った。
「エスト、 大丈夫? やっぱり、 家に帰るか?」
「い、 いや、 大丈夫。 薬を飲んだから…」
いつも、 元気だったエストだけ見てきてそうかこんなにツライているエストの姿がなんとなくとても変だった。 病気の原因を聞いても「き、 気にするな!」と怒ったエストの反応にこれ以上聞くことができなかった。
私は冷えたエストの手を取りながら言った。
「でも、 すごく痛かったら、 私に言ってね。 クエストより体の具合が悪いのが先だから」
そうだ。 一応、 クエストを進行しても、 エストの健康が優先だ。 なぜなら、 私は力がなく、 能力もなく、 何もない状態だから言葉だ。 エストの力がなければ、 クエストを進行するとしても何の意味がない。 ヒカリもあるが、 まだ信頼感も不足して…
「…あ、 ありがとう」
エストは私の言葉にちょっと、 驚いた表情をすると、 そっと顔を赤らめて首を垂れて少し首を縦に振った。 私はポケットからくしゃくしゃに丸めて入れておいたクエスト受諾紙を取り出し、 久しぶりに神の塔の門を開いた。
「アイリス! お久しぶりです!」
「あっ!…ハルさん!」
アイリスは久しぶりに会った私たちを見ながらにっこりと笑いながら喜んでくれた。 私たち3人はダンジョン探査に向けて必要な鍵を受けるため、 アイリスに近づいた。
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