25 クエスト①
「ちくしょう、 ちくしょう!! エスト!ヒカリ!たすけて!」
「黙って、 走り続けろ。 ばかハル。 あんたが足を止めたらわれらはもう、 死ぬぞ?」
「うーむ!超能力でかわいそうなモンスターたちを攻撃する行為は悪いと親から教わったので! だから断るのだ!」
それなら何で、 超能力を学んだんだよ!
私はエストを負んぶしながら、 追いかけてきたモンスターを避けて、 ヒカリと一緒に逃げているところだ。 私たちを追いかけてくるオークたちは殺伐とした目で私たちに向かって、 必死に追いかけてきている。 だいたい、 20匹のオークたちから逃げている私は涙を浮かべながら悲鳴を上げた。
「…何で…何で、 私だけこんなことが起きるんだよ!ちくしょう!!」
ここでちょっと、 なぜ私たちが、 このような状況に直面したのか知りたい読者があるようだから、 しばらくの説明をするようにする。 正確に、 1日前に遡るようにしよう。
《1日前》
「うわー…まじ、 退屈。 このままだと、 精神病にかかりそう…」
エストと私がここ、 ワイルドセブンに所属してメンバーたちと一緒に生活するようになってからもう二週が過ぎた。 ここのギルドの規則はとてもユニークだった。 ギルドに新しく入ってきた新入らは二週間の間クエスト、 ランク戦、 ギルドランク戦などに参加することはできず。 二週間の間、 周辺ギルド活動に敵を行える期間が与えられる。 それで、 ここでは二週間の間、 待機を行うという話を要約して「二週間待機」という名称を使用する。
そんな規則が存在するためにエストと私、 そしてヒカリは2週間、 何もしなかった。 ただ、 ギルドたちと話をして何をするのか見守るだけだった。 そのためにエストは一日一日を退屈に送っており、 ヒカリは24時間寝て今は、 私はくぼんだ目でエストが横になっているソフアーの隣に座っている。
2週間、 何もしないままじっとしていること自体が精神的にとても大変だった。 時間は安ナス、 エストもぽかんとして天井だけ眺めていて、 ヒカリは、 テーブルに伏せて寝ていた。 私がどうしてこの世界に来たのか自己恥辱感が感じられるほどだ。 もちろん、 私が自らしてここに来たのはないが。
僕はポケットの中に入っているアルゴノートを取り出しながら続けた。 アルゴノートには、 これまで私たちのが進めてきた全ての話が綴られていた。 少し、 美化されて書かれていたがね。
「…ハル」
エストが元気のない声で私の名前を呼び、 私を眺めている。
「なんだ、 エスト」
「…退屈すぎる」
…それは私も同じだよ。
私はエストの言葉に何の答えもしてくれることができなかった。 私はただ、 静かにアルゴノートを読みながら、 最大限時間を消費する工夫をした。 アイリスを会いに行きたいけど別に会って話すこともなく、 お金もない。 そして何より村へと向かう時間かなり時間がかかるということだ。
村と距離も遠く、 周りには全部レベル1のスライムたちだけだ。 一日一日が退屈な程度のここは一日中蠢くスライムたちを眺めながらギルドメンバーたちの帰りを待つことだけだ。
「……」
これ、 養老院のレベルじゃね?
いや、 養老院にいらっしゃる年寄りたちは将棋でも指せるし、 ここには、 そんなものさえ存在しない世界だ。 むしろ、 もっと深刻かも…。
「おい~新入たち、 君たちに与えられる初仕事だ!」
ウェイドは古い紙を振りながらわれわれの前に現れた。 ウェイドの突然の登場にエストは「何? あの古い紙は」という反応だったし、 僕は目を細くし、 ウェイドの手に持たせている紙に視線を集中した。
彼が持っていた紙にはD級クエストラは文句と知ることができない文字で長い文章の内容が書かれていた。 エストはウェイドに紙を受け取ってそれをソファーに横になった状態で読み始めた。
「…ダンジョン探査?」
エストは「何だ、 これ」という様子でウェイドの方をにらみ、 ウェイドは真摯な顔で私たちを眺めながらはなした。
「ふふ、 お前らのために私がクエストを持ってきた! それも、 初歩的で簡単なクエストを!」
腰に手を当てて「ウムハハハハ!」とし、 ウェイドは自分が誇らしいというように大きく笑った。 エストと私はお互いに見合わせて「つまらないから、 これでもしようか?」だとし、 目で会話していた。
エストは紙をどかしてウェイドを見て言った。
「それで、 このクエストはどうすればいいの?」
「ふふ、 それはとっても簡単! そこに書かれている通り、 ダンジョン探査だ。 最近、 町の住民たちが突然できたダンジョンのせいで被害を受けているという方が多くなったんだって」
モンスターのせいじゃなく、 ダンジョンのせいで被害を受けるって? そこから環境ホルモンでも出るのか。
エストと私は意味を分からないという表情をし、 ウェイドは説明をずっと続けた。
「最近から、 突然できたダンジョンを探査して、 何が問題なのか君たちに直接調査してもらいたい。 それだけだ。おりよく、 今月はランキング戦もないし、 他のイベントも存在しないから、 君たちにはいいチャンスだぞ? 報酬も他のD級クエストより多いから」
「お、 お金をくれるんですか?」
「もちろん」
私は金という話に乗り気になった。
「やります! 何でもやります! いや、 犬のように働きます!」
私は目を輝かせながら、 ウェイドの二手を取りながら彼を見上げ、 ウェイドは慌てた表情で「あ、 あぁ… そ、 そう…」と言って冷や汗をかいた。 そして私のそばに横たわっているエストはそんな俺の態度に「うわ、 気持ち悪い」という目つきだった。 でも、 それが何の関係ということか! お金だよ! お金をくれるんだよ! ついにここでお金を稼ぐことがあるんだ! これ以上と空腹感に飢えている必要がないんだよ!
あ、 もちろん、 ギルドでご飯を提供してくれないというわけではない。
「エスト! 早く、 荷物をまとめろ! まさに出発だ!」
「えっ…い、 今? 今は、 ちょっと無理なんだけど…」
「何が、 無理だよ! 私たちには明日は存在しないんだぞ!」
「…少年漫画みたいな台詞はしないでくれる? ちょっと気分悪いから」
エストは船を軽く包みながら、 少し不安な表情をしながら私を見上げた。
「今日じゃなく、 明日はだめ? 今日は、 本当に無理」
「どうして?エストも退屈してただろ?」
「あ、 とにかくだめ。 女の秘密というか…」
と言って、 そっと顔を赤らめたエスト。 私はエストの行動に理解できないというように首をかしげた。 そう、 エストも常にコンディションが良いことはないはずだから、 明日出発するのも悪くはないようだ。
「あ、 そしてあいつも連れていけるように。わかった?」
ウェイドは、 テーブルに伏せて寝ているヒカリを指しながら言ったが、 私はびっくり仰天した表情でむきになった。
「それは無理!」
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