22 Wild Seven①
「……おお! 寝付きのいい肩くんと、 妹くんじゃないか!?」
何だ、 この不安な感じは?
私は、 感じられる不安感にこちこちになった首を回して、 そばにすわっているエストに目を向けた。 すると、 エストは目を細くし、 ヒカリをにらんでいた。
「……」
やばい。 本当に、 やばい。 エストが、 爆発する一歩手前のようだ。
エストの表情には、 「あいつをどうやって殺すか」と語っていた。 背筋がぞっとした私は、 エストを胸に引き寄せ、 ぎごちない笑みでヒカリにあいさつした。
「あはは、 本当に偶然ですね! ここで、 会うなんて!」
「本当に、 偶然じゃないか! これはきっと縁分天生じゃないか!」
縁分天生ではなく、 天生縁分だろう… そして、 そんな単語はこんな時に使うのではないんだよ。
ヒカリは、 とても明るい性格であるようだった。 古いギルドの内部を見ながら 「おお! ここがこれから、 私が住む所だな! 本当に、 素敵ではないか!」 と言って目を輝かせた。 しかし、 胸に無理やりに抱かれているエストは、 私をじっとにらんで「今、 何してるの? あんたも死にたいの?」だとし、 目でメッセージを送っていた。
「……」
どうして、 私をそんな目で見てるの? エスト…。 私は、 何の過ちもしていないんだよ!
そうだ。 私は何の過ちをしたことがない。 ただし、 この世界で2番目の人生を務めているだけだ。 もちろん、 早くアルゴノートの話を終え、 もともといた世界に戻りたいのが私の目標だったが、 今のような状況が続けばほぼ不可能じゃないかな? という思いがする。
ウェイドは、 私たちの反応が面白いのか笑みを浮かべながら言った。
「ふっ、 やっと、 みんな、 集まったようだな。 一応、 君もここに座れ」
ウェイドはヒカリを見ながら話し、 ヒカリは常に笑顔で「はぁい~」と言って片手には枕を抱き寄せ、 我々がいるテーブルにやってきて、 僕の隣に座った。 エストは、 依然として警戒心に満ちた顔で私の横に座っているヒカリをにらみ、 私は冷汗をかきながら笑う顔でじっとしていた。
ああ、 やっぱり適応にならない。 気持ちとしては、 ここを抜け出したい心情だ。
ヒカリは、 何がそんなに楽しいのかにこにこ顔で私の横に座っている。 ところで、 ちょっと近いようだけど? ヒカリは、 私の肩に密着して座っていた。 少し負担な感じはあったが、 気を使わないことにした。
「さあ、 もう新入りが全部そろったみたいだから。 うちのギルドについて短く説明してあげよう」
ウェイドは、 真面目な顔で言って私たちを見て回った。 ヒカリは依然としてにこにこ笑ってたし、 エストはそんなヒカリをにらんでいる。 私は努めて笑顔でウェイドの言葉に集中するために努力した。
「……期待以上の新入たちだな」
そう言ったウェイドは、 首を振りながらため息をついた。 私も、 本当に悩みが並大抵ではない。 多分、 ヒカリはエストに完全に憎まれてしまったようだ。 どうしたせいかは分からないが、 エストがヒカリを、 すごく嫌いているようだ。 今後、 ギルド生活がうまくできるかが最も心配だ。
ワイルドセブン、 Eランク所属のギルド。何年前までもSランクまで進入をしたほど、 最強のギルドとされていたギルドの一つだったという。 しかし、 今は最も最下位級のEランクで等級が下がった状態。
「どうして、 Sランクから、 Eランクに下がることができるんですか?」
「トイレに行きたいんだけど、 ずっと会議に参席しろと言うんだよ。 それで、 世界政府の年寄りたちと言い争ったんだよ。 それで、 降格された」
「……」
私は、 その言葉に言葉を失った。 いや、 やっとトイレのために会議に出席できなかった代価としてSランクから、 Eランクに降格させたの? ひどい!
「それで、 Eランクになったおかげで、 いろいろ、 大変なことが多かったよ~ 今もそうだし」
確かに、 このギルドの内部状態を見ればわかるとおり、 どんなに、 大変な生活苦を経験しているのかよく分かるようになった。 ところで、 メンバーが総7人としていなかったかな?それでは残りのらはどこにいるかな。
「ふふ、 『今、 残りの人たちはどこにいるかな?』って思ったね? それは心配するな、 今日はギルド戦がある日で帰りが遅いから」
「…ギルド戦ですか?」
「そう」
ギルド戦、 それはギルドランキング戦を減らして意味する言葉だ。 さっきも説明したように、 ギルドにもランキングを上げるためにはポイントが必要である。 そのポイントは主にクエスト、 そしてギルドランキング戦で受けられるポイントであるため、 ギルドマスターたちには、 何よりも個人ランキングよりギルドランキングに気を配っているという知られている。
このようなシステムは、 私がいた現実世界に存在するゲームシステムととても似ていた。 ウェイドは壁に飾られている古い時計を横目でちらっと見て椅子に頼り、 眠そうな表情をした。
「ふむ……、 もうすぐ帰るころだな」
そんなに独り言を言っていたウェイドは説明を続け、 私は彼の言葉に集中した。 ワイドセブン、 このギルドには特別な規則が存在した。 他のギルドは少なくとも、 15人から20人の人員を保有しており、 Sランク以上になると、 最大50人の人員まで保有が可能である。 しかし、 このギルドは他のギルドとは別に特別だった。 このギルドは、 何よりも最高のメンバー、 そして特別なメンバーを集めて、 最大7人のメンバーを構成したという。
「それなら、 その前にいた2人は、 ギルドを脱退したんですか?」
「いや? 脱退じゃなくて完璧な引退をしたよ」
「引退ですか?」
「そう」
「な、 なぜですか?」
なんとなく、 不吉な感じがする。
ウェイドは、 私の質問にあまりにも平凡に堂々とした口調で話した。
「1人は右手首切断、 そして、 もう1人は右足首切断。 それですっかり、 活動を中断命令され、 このほど引退した」
「…はい?」
私は、 彼の言葉に瞬間、 頭の中が停止される感じに再び問い返した。 すると、 ウェイドは、 改めて説明してくれた。
「先週、 個人ランキング戦に出場したんだよ、 そのばか2人がね。 ところが、 縁起でもなく会ってはいけないやつに会ったせいで、 引退試合になってしまったんだ」
「…あ、 相手がそんなに強かったんですか?」
私は唾を飲んで、 慎重に尋ねた。 ウェイドは私の質問に真摯な顔で私を見つめ、 私は彼の反応に全身に緊張感が漂っていた。
「相手は『絶対領域』の持ち主、 レギルス。 県Sランキングの1位だった」
「……」
私は彼の言葉に黙って立ち止まって彼を眺めた。 ウェイドの表情には、 Sランキング1位がどんな人だったが、 全てのことを言ってくれたからだ。
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