10 試験 ①
もぐもぐ!
「たくさんあるから~ ゆっくり召し上がってください~」
こつこつ!
エストと私は、 アイリスが直接作ってくれた食べ物を口にいっぱい入れ、 急いで食べている。 トマトソースと、 一緒に鍛えられた肉で作ったスープとパンはどこでも食べてみなかったくらいですごくおいしかった。 アイリスは、 私たちを見ながら幸せな笑みを見せた。
そばで、 あたふたとパンを食べている私の姿を眺めていたエストは、 ちょっと慌てた表情で食べていた速度を少しずつ下げ始めた。 私は、 口にパンをくわえている私をじっと眺めるエストと目を合わせた。
「なんで、 食べないの? それ、 食べないなら僕が食べてもいい?」
「は、 はぁ…」
私は、 エストの前に置かれている肉を見ながら話し、 エストは、 依然として慌てた表情で首を縦に振った。 私は、 悩まずエストの前に置かれた肉汁が流れ出た肉をフォークで刺した。 刺した。 アイリスの料理実力は逸品だった。 のおかげではご飯も食べて今日は運がいいようだ。 私は、 継続してエストの前に置かれているパンや肉スープに視線を集中した。 私は、 前に置かれている空の皿を横にどけ、 エストの前に置かれている皿に手を伸ばした。
「私が、 食べてもいいよね?」
「……」
エストとアイリスは、 きょとんと私を見たし、 私は、 黙々とエストの前に置かれている皿を持ち上げ、 食べ物を口の中に入れ始めた。 エストは、 そんな僕を見て 「このばかをどうすれば…」 と話し、 小型なためいきをもらし、 アイリスは、 一生懸命にご飯を食べることに集中している私を幼い弟をみるように喜んでいるミソをしていた。
「ハルさんが、 おいしく食べてくれて、 とてもうれしいです! 気を使ったかいがあると思います!」
アアリスは、 嬉しい表情に流れた金髪を払いのけながら言ったが、 私は、 口の中に食べ物をもぐもぐして、 親指を立て、 アイリスに 「本当においしいです!」 だとし、 目でメッセージを送った。
「ところで、 ハルさんとエストさんは、 どうして塔に登ろうとするんですか?」
何と説明をすれば、 いいんだろう?
アイリスの問いに、 エストと私は何も答えてくれなかった。 ただ、 お互いに機嫌を見て戸惑うだけだった。 私は、 しばらく物思いにふけった。 私たちはただ、 アルゴノートという本に書かれた通りに動いただけだ。 誰も私たちに命令を下したことがなく、 ただ、 アルゴノートが、 神の塔を基盤に話を始めたために仕方なく私たちはランカーに登録しただけだ。 そうじゃなかったら、 私たちは私たちが望む場所に戻ることができないからだ。
アイリスは、 そんな私たちを心配そうな表情で眺めた。
「……もしかして、 塔についての情報はご存じでしょうか?」
「…い、 いいえ」
私は、 アイリスの問いに、 消え入り声で静かに言った。 そうだ。 私たちは塔について何もしれない。 ここに何があり、 どんな規則が存在するのか私たちは初めから何も調査しなかった。 アイリスは、 そう私の反応に慌てたのか、 しばらく当惑したが、 それもつかの間、 笑いながら話を続けた。
「そうですね。 もし、 よかったら、 あたしがハルさんとエストさんのサポータをしてもいいですか?」
「サポータですか…?」
「はい」
私のサポーターという言葉に首をかしげた。 エストは、 「サポータ」という、 言葉に疑問が満ちた表情でアイリスを見て言った。
「サポータとは、 何ですか」
「うーん、 サポータは、 各ランカー達の補助員として担当してくれる人のことです。 この塔でランカーをする方々は皆、 個人ササポータをお持ちですね。 サポータは、 彼らのスケジュールや補償金、 ギルド問い合わせなど多くのことを整理して把握してくれる職業です」
本当に、 ゲームみたいなシステムだな。
私は、 私が楽しんでしていたオンラインゲームのシステムとあまりにも似ているので、 再び一度驚いた。
「でも、 アイリスは、 塔を管理していらっしゃるじゃないですか」
「ふふ、 それはご心配には及びませんよ。 あたしは、 塔の1階を管理しているが、 そもそも、 職業はサポータに登録されていますから」
アイリスは、 笑って私に安心しというように話した。 アイリスは、 ポケットからハンカチを取り出し、 手を長くのばして私口のあたりについたトマトソースを拭いてあげた。 私は、 きょとんと私に向かって、 笑っているアイリスを眺めながらもう一度、 生きている天使を見ているようなアイリスにほれてしまった。
「…気持ち悪い。 変態くせに」
「……」
いつ頃、 この不行儀なチビを懲らしめてもらえるかな。 だんだん、 癖が悪くなるようだ。
エストは、 目を細くし、 私に流し目をしながら気持ち悪いという表情をしていて、 私はエストの厳しい視線をそらした。
そんなに、 食事を終えた私たちにアイリスは、 私たちが行く所がないということを知ってかここに泊めてくれた。 アイリスの家は、 一人で住むにはかなり大きな邸宅の大きさだったに私たちを気軽に歓迎してくれた。 塔で、 ランカーを管理して案内してくれることをしてそうか経済力があるようだ。
エストと私は、 アイリスが案内してくれた2階に位置している部屋に入った。
「それでは、 ゆっくり休んでください。 明日試験がありますから~」
アイリスは、 笑って私たちに話しながら、 訪問を閉め、 1階に下りた。 エストと私は、 広い部屋をきょろきょろとあたりを見回した。 広いの大きさの平凡な部屋は、 大きなベッドが、 置かれているもの以外は特に大したことはなさそうだった。 ただ、 トイレと浴室が別に分かれているのは少し、 特別だった。 私は、 疲労こんぱいした状態で体を率いてベッドの上に倒れた。 私は、 ゆっくりと首を回して窓に映し出される美しい夕陽を眺めた。 エストも、 疲れたのか私のそばに横になった。
「ねえ、 エスト」
「なに」
「私たち、 本当に帰れるかな?」
「知らない」
エストは、 ぶっきらぼうに言ってふかふかのベッドに顔を隠した。 エストも、 とても疲れたのか、 その以降に何の反応もしなかった。 私は、 依然として夕陽を眺めながら話を続けた。
「もしね、 エスト」
「……」
「私たちが、 Sランクになったら、 話は終わるのかな?」
「……」
エストは、 依然として何の返事をしてくれなかった。 多分、 エストもあれこれと思い浮かぶことが多いようだ。 私は、 深くため息をつきながらポケットの中に入っているスマホを取り出した。 まだ、 バッテリーが残っていたスマホは電源が入り、 女友達と一緒に撮った写真を走り読みした。 明るく笑っているゆうこの隣に立っている私は、 ぎこちない笑いをしていた。 これは、 ゆうこと私が初めて撮った写真だった。
私は、 親指でスマホの画面を下し、 最後に撮った写真を見た。 2020年4月4日。この日付に私は、 悠子を救うためにトラックが襲ってきた車道に飛び込んだ。 今、 家族たちは何をしているだろうか。 ゆうこは元気かな? 私は、 スマホの電源を切った。 そしてベッドに顔をうずめ、 枕を抱きしめた。 柔らかな感触と一緒に、 疲労が押し寄せてくる感じがした。
…帰りたい。
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