第7話 クリエイター

「ハルパパやるなー」

ヨーコは本気で関心している様子だった。

そう、かなり複雑に工夫された。

私の欲しい物がなんでも100円で買えるお店だったのだ。


「すごいね」

私もパパが何を思ってこれをやってくれたのかと思うと涙が止まらなかった。


「いやー、すごいよ。パパの愛だね」

ヨーコは私のパパともあったことがあるから、そのことを考えながら言ってくれたのだと思う。

だれも傷つけず私の願いを叶える方法を探してくれたのだ。そしてそのこともヨーコはわかってくれていた。


「私には何ができるだろう」

私はつぶやいた。

そう、このパパの思いに応えるには何をしたらいいのだろうか。

次はそれを考える番だ。


「そうだね、できることはひとつ」

ヨーコはスッと答えてくれた。

それはかんたんだよ!と笑った。


「ひとつ?」

私は聞き返す。

いまのわたしに何ができるだろうか?

まだ考えはまとまらない。


「そう、このプレゼント・・・、じゃなかった、たまたま100円で買えたPCを使って、立派なクリエイターになることだね」

ヨーコは言った。プレゼントのことは気が付かなかったことにしないとね、とほほえみながら、私が次にやるべきことを示してくれた。


「そっかぁ」

私はヨーコの言葉に納得した。

それがいまの私にできることみたいだった。

いま、お礼の電話をかけたりすると、すべてが台無しになってしまう。


「うん、なれるかなぁ」

私はヨーコに聞いた。

立派なクリエイターになれるだろうか。

まだなにも作ったことがない私だけど。


「もちろんなれるよ、私もいるしね!」

ヨーコはドンと胸をたたきながら私に言った。

そう彼女はプログラマー、一緒に私となにか作ってくれるということだろう。


「うん、わたし立派なクリエイターになって20歳になったらパパに会いに行く!」

私は涙を拭きながら、ヨーコに誓った。


(完)

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100円で買える店 なかの @nakano

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