67.空気を読まんでしゃべりました。
今日は、2019年4月30。平成最後の日です。
わたしは、今は、歴史好きのおバカアイドルって、ややこしいポジションにおるんで、ここら辺のことは、バッチリおさえてます。
「
「
カメラが回ってる中で、わたしのウンチクを、声が渋くて、大喜利が上手くて、運動神経悪い芸人さんが、めっちゃええ感じにほめてくれした。
「バナナが食べたくて海賊船に乗って、だまされて突き落とされて死んだ『
「いやーすごいなー。私の出番がないなぁ・・・」
エライ歴史の先生も、驚いでくれました。台本通り、驚いてくれました。
「・・・これです。倉の隙間の隠し
「おぉーーーーこれですかぁ!!!!」
エライ歴史の先生は、めっちゃええリアクションしました。わたしと、運動神経悪い芸人さんは、エライ歴史の先生のテンションが高すぎて、ちょっと引くくらいでした。
「では・・・空けますよぉ!!!!!」
エライ歴史の先生は、手袋をつけて、めっちゃ興奮して箱をそぉっと明けました。
こっからは、リアクション重視で、台本ありません。ロケハンしたスタッフさんも、まだ中身見てないらしいです。
「何これ? ・・・布!?」
最初に、声が渋くて、運動神経悪い芸人さんが、反射神経よくリアクションしました。
「たくさんの絹の布に包まれている・・・? おぉ!
エライ歴史の先生は、めっちゃ強いリアクションしました。ちょっとウザいくらいリアクションしました。
わたしは出番ないんで、ニコニコしてました。でも心の中では、めっちゃドキドキしてました。
・・・そっか・・・三成さんが「ふぁさぁ」言わして
めちゃ強リアクションの歴史の先生は、慎重に
「ここに!!!! 歴史の闇に
めちゃ強リアクションの歴史の先生は、興奮しすぎて、ちょっとウザいくらい叫びました。めちゃ強めちょいウザ歴史先生は、手を震わせながら、そっと紙を開きました。
「キモ! 足三本あるし! ん? でも髪の毛めっちゃサラサラやな、めっちゃ「ふぁさぁ」言わしてる。入念にトリートメントしてる」
大喜利が上手い芸人さんは、きっちり仕事しました。一見滑ってるように見えるのは、わたしが上手いことリアクションできんかったせいです。
わたしは、仕事どころやありませんでした。わたしが書いた絵を、キモい言われても、足三本って言われても、なんもリアクションできませんでした。アリ・・・アリエ・・・忘れたけど、わたしが書いた、海の神さんの絵を見て、なんもリアクションできませんでした。
「これは、アマビエですね!! いやはや、戦国時代からすでに伝承があったとは!! この時点でもう歴史的発見ですよ!!!!!」
めちゃウザ歴史先生は、めっちゃ興奮しながら言いました。そして、
「おぉ!!! このちぃちゃく書かれた
と、めっちゃめっちゃスゴめっちゃ興奮して、食い入るようにちぃちゃい書を読み始めました。
「ふん・・・ふん・・・ほう・・・ほう。え! え!! えええ〜〜〜〜!!!
ほんげええええええぇえええええええええええええええ!!!!」
「ちょ! 先生、興奮しすぎ! おさえて、おさえて・・・」
興奮しまくるめちゃウザな歴史先生を、運動神経悪い芸人さんがなだめました。
めちゃウザ先生は、息を整えると、キモいくらい一気に早口でまくしたてました。
「いいですか! 読みますよ。
ややこし ややこあり
これかふき踊りの
すごい! 歴史的大発見だらけだ!!!!!」
「ちょ! 先生、興奮しすぎ! おさえて、おさえて・・・」
運動神経悪い芸人さんになだめられても、めちゃウザキモ先生は、息を整えずに、キモいくらい一気に早口でまくしたてました。
「ポイントは三つです。
まず1つ目!
次男の
つづいて2つ目!
名前は・・・
そして3つ目!
これがすんごい!!
この、
犯人は、
つまり、1591年10月に
すんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごいすんごい!!!」
めちゃウザキモ先生は、こわれたオモチャみたみたいに、何度も何度もうなづきながら、叫びました。そして、電池切れたみたいにゼェゼェ言いながら聞いてきました。
「はぁはぁはぁ・・・な、何か質問は?」
「芸人としては、やっぱり、この『すべらない話』が気になるんですけど」
声が渋くて、大喜利が上手くて、運動神経悪い芸人さんが聞くと、めちゃウザキモ先生はあっけらかんと言いました。
「あぁ、
今でこそ、
「そぅなんやー」
「そぅなんやー」
わたしと、声が渋い芸人さんはハモリました。声が渋くて、大喜利が上手くて、運動神経悪い芸人さんは、話を続けます。
「いやー怖いな。
今の『すべらない話』でもめっちゃ怖いのに、
「・・・そうですか?」
わたしは、声が渋くて、大喜利が上手くて、運動神経悪い芸人さんの話を、思わず、ダメ出ししてしまいました。
そして空気をよまんで、自分の思ったことを、ソロリとしゃべりました。
「わたしは、平気や思います。だって、戦国時代の人、みんなめっちゃ優しいし」
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『「秀吉豊臣のすべらない話」すべると打ち首獄門やて。』
これにて、おしまいや!
・・・きこえますか・・・きこえますか・・・
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