43.小早川さんが面白一等賞です。

権兵衛こんべえの切腹の儀は取りやめだ! 代わりに熱湯風呂にする!」


「熱湯・・・風呂?」


「詳しい話は、ソロリちゃんに聞いとけ! ええか! 絶っっっっっ対、間に合わせぇ!」


「ははぁ!!」


 三成みつなりさんが、頭を畳に擦りつけておじぎをすると、ちぃちゃいゴリラの関白かんぱくはんは、大阪城の大広間に響き渡る声で言いました。


「ええかー! 明日、真昼九まひるここのつ、大阪城 大手門おおてもんにて、仙石せんごく 権兵衛ごんべえ 久秀ひさひでの熱湯風呂の儀や! その後、「秀吉豊臣のすべらない話」の続きをやるで!!」


 大阪城の大広間は、どっかで聞いたことある曲が、つづみと笛と三味線で演奏されて、わたしは、ニコニコしながら拍手をしました。


 権兵衛ごんべえさん、死なんで済む思いながら、ニコニコしながら拍手をしました。


 拍手が終わって、みんな、銘々めいめいとハケていく中、三成みつなりさんが目を見開いて近づいてきました。


「ソ、ソロリちゃん? 熱湯風呂の儀とは、どのような処刑方法であるか!?」


「処刑やなくて、罰ゲームです! あとでちゃんと説明します!!」


 わたしは、目を見開いた三成みつなりさんを適当にあしらって、小早川こばやかわさんを探しました。今日の面白一等賞Most Valuable すべらない話は、厳島いつくしまの戦い話した、小早川こばやかわさんや思ったからです。


 わたしは、「おもろかったです!」言おうと小早川こばやかわさんを探しました。小早川こばやかわさんは、山名やまなさんと話していました。


 ・

 ・

 ・


山名やまな殿、家康いえやす殿は、明日はこられますな?」


「はい、今宵はここよりほど近い、聞通寺もんつうじにて宿をとり、明日の昼四ひるよっつつに開催される、利久殿を偲ぶ茶会には、ご予定通り出席なさります」


「そうですが・・・くれぐれもよろしくお伝えくださいませ」


 ・

 ・

 ・


 そう言うと、小早川こばやかわさんは、物凄いスピードで帰っていきました。


「あ、小早川こばやかわさん・・・」


 わたしが追いかけようとすると、山名やまなさんに止められました。


小早川こばやかわ殿は、何やら体調がすぐれぬご様子」


 ・・・しゃあない。


 小早川こばやかわさんに「おもろかったです!」言うんは明日にとっておこう思いながら、大阪城の大広間から出ていく小早川こばやかわさんの背中を見ていると、わたしの目の前に、目を見開いた三成みつなりさんが割り込んできました。


「ソロリちゃん! 熱湯風呂なる罰ゲームを詳しく教えてくだされ!!」


 わたしは、三成みつなりさんに熱湯風呂のを説明しながら、小早川こばやかわさんが、山名やまなさんと話していたこと思い出してました。


 ・

 ・

 ・


山名やまな殿、家康いえやす殿は、明日はこられますな?」


 ・

 ・

 ・


 家康いえやすさんなら、わたしでも知ってます。江戸時代を作った、めっちゃエライ人です。修学旅行では、お墓がある日光にも行きました。

 そして思い出しました。家康いえやすさんと、ちぃちゃいゴリラの大閤たいこうはん・・・どっちがエライ人なのか、聞くのをうっかり忘れていました。


 オープニングの時、絶対聞こう思ってたのに、うっかり聞くの忘れてしまっていました。

 明日こそは、絶対聞かな! うん、絶対きかなあかん!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る