16.イジワル爺さん、イジワルなん?
「どうやら、
「イジワル爺さんは、優しいおじいさんとおんなじ、ほっぺたにコブがついてる、めっちゃイジワルな爺さんです。
イジワル爺さんは、アイツだけ「こぶ」が取れてズルイ! と、思いました。
自分も鬼に「こぶ」を取ってもらわな不公平だ! と、めっちゃ思いました」
ここまで話して、バカ殿の
「ところで・・・イジワルな爺さんはどんなイジワルをしたのかの?」
そういえば、どんなイジワルしてたんやろ? ・・・・知らんわ。どうしよ?
わたしは、ニコニコするのも忘れて困っていると、突然、
「ソロリちゃんに、バナナを食べさせたお人かと!」
「そちが、イジワル爺さんかの?」
バカ殿の
そして、「はああああああ」と、大きなため息をつくと。
「いかにも! ワシがイジワル爺さんだ! これから、
そう言って、おもむろに踊りはじめました。
「♪ イジワル爺さん だから、イジワル爺さん ♪」
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手、叩いて上 ♫ 手、叩いて上 ♫
手、叩いて上 ♫ 手、叩いて上 ♫
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変な踊りを踊り始めましめました。
・・・すべってました。盆踊りみたいな
わたしは、三回ネタやって、三回ともすべった、赤くてちぃちゃいドリンクと同じ名前の大会のことを思い出して、背中がゾクゾクしました。地獄や思いました。
そしてその地獄に、バカ殿の
「♫ イジワル爺さん だから、イジワル爺さん ♫
♫ イジワル爺さん だから、イジワル爺さん ♫」
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手、叩いて上、手、叩いて上
そして 腕をグルグル回したよ ♫
手、叩いて上、手、叩いて上
そして 腰を前後に振ってるよ ♫
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バカ殿の山名さんが乱入して、地獄の踊りは、さらに地獄になりました。めっちゃ地獄になりました。
「🎶 イジワル爺さん だから、イジワル爺さん 🎶
🎶 イジワル爺さん だから、イジワル爺さん 🎶」
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手、叩いて上、手、叩いて上
そして 腕をグルグル回したよ 🎶
手、叩いて上、手、叩いて上
そして その場でグルグル回ったよ 🎶
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めっちゃ地獄の踊りは、どんどんテンポが早くなって行きます。
そして、この地獄の流れを断ち切れるんは、わたしだけやと気がつきました。
『こぶとり爺さん』の話のオチ知ってるのは、わたしだけやと気がつきました。
わたしは、「すうっ」と大きく息吸い込んで、思いっきり大きな声で叫びました。
「もうええ!」
わたしは、ありったけの大声を張り上げました。
「昨日取ったコブは返したる! もう二度とくるな!!」
大阪城から、静かだけど、笑い声が聞こえます。地獄の空間に、すぅっと光が差し込んでくるのがわかりました。
わたしは、ソロリとオチを言いまいた。
「・・・こうして、イジワル爺さんは、コブがふたつになりましたとさ」
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