15.はて、聞いたことないのぅ?
わたしが大阪城の前でPVを撮影してもらった、たった一曲だけ、センターをやらしてもらった曲を、大阪城の中で歌って踊り終わると、ものすごい拍手をもらいました。
アイドルやらしてもらって、本当に嬉しいと思いました。今までで一番嬉しいと思いました。でも、わたしは思い出しました。今の仕事は、アイドルやなくて、お笑いのひな壇やと思い出しました。
わたしは、深々をおじぎをすると、駆け足で自分の席に座りました。そして、ちょっとだけ息を整えると、話を続けました。
「・・・優しいお爺さんは、村で評判のめっちゃ踊りが上手いおじいさんでした。優しいお爺さんの踊りを見て、鬼は大喜びです。鬼は言いました。
『爺さん、自分めっちゃ踊り上手いから、明日も来てくれんか?』
でも、優しいおじいさんは、優しいけどウソはつけるおじいさんなんで、
『モチロンです! でも・・・夜もあけたんで、一度家に戻ってまた来ます!』
と、出まかせ言いました」
ここまで話して、バカ殿の
「・・・そう、やすやすと、逃してくれるかの?」
「鬼は『明日も絶対くるように、人質を取らしてもらう!』と叫ぶと、お爺さんのほっぺたのコブをむんずと掴み取って「ブチり!」と引き剥がしました。そして、
『人質として、このコブを預かる! 返して欲しくば明日の夜も絶対にこの場所に来い!』
と叫んで、笑いながら山の奥へ帰って行きました。」
「おお! 優しいお爺さんはついてるのう!」
バカ殿の
だけどその後、
「次の日、優しいおじいさんは、村のみんなに自慢しました。ツルツルのほっぺたを自慢しました。すると、『お前だけずるい!』と、イジワル爺さんが言いました」
と言ったら、
「イジワル爺さん?? はて、聞いたことないのぅ?」
バカ殿の山名さんが首をかしげました。
わたしは「ニコニコしてたらなんとかなるかな?」思っていると、
「どうやら、
「ええですよ。」
と、わたしが答えると、バカ殿の山名さんが、目をキラキラさせながら言いました。
「なに? なに? どーんなイジワル爺さん?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます