14.何? 何? どーんなおーどり?

「『こぶとり爺さん』?  何? 何? どーんなはーなし?」


 わたしは、子どもの頃に毎週観てた水曜日の夜6時55分から始まる、アニメで見た話を思い出しながら話すことにしました。


「むかし、むかし、お爺さんがいました。お爺さんは性格が優しくて有名でした。あと、ほっぺたにでっかいコブがあることで有名でした。

 優しいおじいさんは、ある日、芝刈しばかりに行きました。でも、山の奥で道に迷ってしまいました。」


「それは困ったのう」


 バカ殿の山名やまなさんが、あいづちを売ってくれました。山名やまなさん、やっぱりこの話、知ってる思います。


「おじいさんが道に迷っていると、どこからか、笛や太鼓の音が聞こえました。どこかで、宴会してるみたいです。「助かった・・・」優しいおじいさんは、急いで笛や太鼓のの音がする方へ行きました。そこでは、鬼が輪になって宴会をしてました」


「鬼? はて?」


 バカ殿の山名やまなさんが、キラキラした目で聞いてきました。わたしが答えに困っていると、策伝さくでんさんが言いました。


「ソロリちゃんは、干支かんし七度廻る未来より来られたお方。ひょっとしたら、我らの知る話とは、少し違うやもしれませんな」


「ふーん・・・」


 バカ殿の山名やまなさんは、あぐらを組んでた足を前に投げ出しながら言いました。


 鬼やなかったら、何おるんやろ・・・わたしにはわかりません。だけど「笑ってたらどうにかなるかな」と思ってニコニコしながら話を続けました。


「優しいお爺さんは、鬼に見つかりました。鬼は言いました。「助けてやるから、なんか芸見せろ」言いました。優しいおじいさんは、「しゃあないな」思って、踊りを踊ることにしました」


 バカ殿の山名やまなさんは、目をキラキラさせながら聞いてきました。


「何? 何? どーんなおーどり?」


 なんやろ。そういやわたし、優しいおじいさんの踊り、知らん。


「何? 何? どーんなおーどり?」


 バカ殿の山名やまなさんは、目をキラキラさせながら繰り返し聞いてきます。


 どうしよ。


 わたしは考えました。そして、思い出しました。今は戦国時代いるけど、本当は、アイドルをやらしてもらってるの思い出しました。アイドルをやらしてもらって、たった一曲だけ、センターで歌わせてもらった曲を、アカペラで歌いながら踊ればええ思いました。


 わたしは、歌って踊りました。大阪城の前でPVを撮影してもらった、たった一曲だけ、センターをやらしてもらった曲を、歌って踊りました。


 あ、曲名と歌詞は書けないんで、検索してください。PVありますんで、YouTubeのURL貼っときます。是非見てください。是非コピペして使ってください。


https://www.google.com/search?q=%E3%80%8C%E5%90%9B%E3%81%A8%E5%87%BA%E4%BC%9A%E3%81%A3%E3%81%A6%E5%83%95%E3%81%AF%E5%A4%89%E3%82%8F%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%8D&rlz=1C5CHFA_enJP930&oq=%E3%80%8C%E5%90%9B%E3%81%A8%E5%87%BA%E4%BC%9A%E3%81%A3%E3%81%A6%E5%83%95%E3%81%AF%E5%A4%89%E3%82%8F%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%8D&aqs=chrome..69i57j0i333l3.465j0j7&sourceid=chrome&ie=UTF-8


 わたしが、アカペラで歌いながら踊っていると、バカ殿の山名やまなさんが、手拍子をはじめました。関白かんぱくはんも、小早川こばやかわさんも、三成みつなりさんも、策伝さくでんさんも手拍子をはじめました。笛とつづみと三味線の人も、曲に合わせて演奏をしてくれました。


 わたしは、たった一曲だけ、大阪城の前で、センターで歌わせてもらった曲を、大阪城の中で歌いながら踊りました。


 バカ殿の山名さんも、関白はんも、小早川さんも、三成さんも、策伝さんもニコニコしながら、手拍子をしてくれました。笛とつづみと三味線の人も、ニコニコしながら演奏してくれました。


 わたしは思いました。アイドルをやらしてもらって、ホンマ良かったって思いました。戦国時代の人、みんな優しいって思いました。


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