一週間

「......兄さん。起きないなぁ...」


兄さんが倒れてからもうすぐで一週間が経とうとしていた。

一日の気温が一桁なんてもう当たり前の時期。

とても寒い。


「早く起きないかな......」


手を握り,目覚めを祈る。

兄さんはずっと俺のことを守ってくれた。

だから今度は俺が兄さんを守るんだ。


微かに感じる温もりが,次の日の朝になったら消えてしまいそうで怖い。

完全な機械になってしまう。

あり得ない話だが,そんな妄想が頭を埋め尽くしていった。

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覆面ヒーロー 譲羽 命 @raasa

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