極度の方向音痴の少女スーリアが、うっかり「青の塔」の中へ置き去りに。
それから早5年――5年?!
だいぶ経ってしまいましたね……でもめげない、折れない、したたかなスーリア。素敵です。したたかであるが故に「青の塔」に気に入られたようですが……。
昨今の流行りでは置き去りがわざとだったり、助けにきてくれたと思った仲間に手酷く突き放されたり、そんなことが起こりがちですが、そんなことはなく。
ないけど結局出られなかった。
スーリアさんのこの先がとても気になります。
さて。
作り込まれたダンジョン内部の確かな描写。
救いが見えたかと思いきやのストーリー展開。
気が付いたら私はこの世界観の迷い人である。出口はどこですか……?
……ふむ、つまりスーリアよろしく、すべてのシリーズを読破しろと。どうやらそういうことらしい。作者さまはエシェンという同じ世界観で他の作品を書いていらっしゃるご様子です。
これは5年彷徨っても飽きない予感がします。そんな素晴らしい逸品でした。