第5話 短編怪談集
1:ごめん、連れてきた
Ⅽさんから聞いた話です。
Ⅽさんが働いている職場のパートさんが急に
「あ~、ごめん、連れてきた」
と、言い出したそうです。Cさんはどういう意味か分からなかったのですが、そのパートさんは申し訳なさそうにこう続けたそうです。
「多分、今日からこの場にいる人達の家に、迷惑をかけると思う、本当にごめんね」
と。Ⅽさんも含め、その場に居る人たちは笑ってその場を濁したそうです。
その日の深夜から、インターフォンが各家で鳴らされたそうですが、訪問者の姿を見た人はいなかったそうです。
2:多分、某ゾンビ映画の影響だと思う
Ⅾさんから聞いた話。
あれは、中学生頃かな?
まだ実家で寝ていた時の話なんだけど、その日は暑くて、部屋のドアを開けていたんだよね。
なんとなく目が覚めて、開けているドアに目線を向けたら、四つん這いの首のない女の人が、部屋の前を通り過ぎたんだよ。
「え!?めちゃくちゃ怖いですね・・・」
「ん~怖かったけど、多分、某ゾンビ映画が当時流行っていたから、その影響だと思うんだよね」
3:まだ居るから
Ⅾさんの高校の同級生Eさんから聞いた話です。
Eさんが通っている大学のサークル内で、心霊スポットに行こうと言い出した人がいた。
サークル内に霊感が強い仲間がおり、心霊スポットにいけば何か見えるんじゃないかとみんな期待したからだ。
心霊スポットに着き、一通り見渡したが、何も起きなかったそうです。若干残念な気持ちで車に乗り込んだ途端、霊感が強い仲間がガタガタ震え、顔が青ざめていた。
「おい、どうした?」
「車の中に女が乗っている。早く出せ!」
車内の中がキン・・・と凍り付いたが、言われた通り車を動かし始めた。どこに向かって走ればいいのかわからず、当てもなくさ迷う車の中で、霊感の強い仲間が切羽詰まった声で指示を出した。
「適当なコンビニに寄って。幽霊が車の中からいなくなるまで、コンビニで過ごすぞ」
目に着いたコンビニに寄り、車内の仲間が慌てて車から降りる。霊感の強い仲間が、小声で「まだだ・・・まだいるよ」と、呟く声を聞きながら、コンビニに2時間程待機していた時だった。
「もう大丈夫だ、車から出て行った」
と、霊感の強い仲間がホッとした声で他の仲間に告げた。多少の恐怖はあるものの車に乗り込み帰路に着いたそうだ。
4:金縛り
Fさんから聞いたお話です。
Fさんは結婚して実家を離れているが、何故か実家に泊まると高確率で金縛りに合うそうです。実家で暮らしていた時も金縛りに合っていたので、金縛りに合う状態が当たり前だと思っていたが、実家を離れた途端、金縛りが無くなったため、逆に驚いたそうです。
金縛りの時に幽霊が現れたことがなかったため、それほど恐怖はなかったそうですが、
「ただ、実家が建っている土地、もともと川を埋め立てているみたいなんだけど、幽霊って水場に集まるって言うじゃない?関係あるのかな?」
実話怪談記録帳 畑 実留 @4649onegaisimasu
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