第10話

 ジョンは目で合図する。

 トムはうなずき、方向をかえる。

 敵はついていく。 罠だと思っていないのか。

 怒りで罠に気づけていない。

 ジョンは見守る。

 トムはコの字の壁の出入口でとまる。

 敵もとまる。 息切れしているよう。

 トムは右腕に風をまとう。

 右腕をまえにつきだす。

 すると、風は押し出す。

 敵は壁の奥までぶっ飛ぶ。

 壁に少し穴があく。 くずれはしない。

「火をあいつに向けて放て」 トムは叫ぶ。

 ジョンは言われたとおりに小さい火を放つ。

 トムは助けるかのように風が放った火の後ろについていく。

 火は小さかったのがやがて敵に近づいていくたびに大きくなる。

 火はサッカーボールほどの大きさに変化する。

 敵にあたる。 防御をしようとするが、さっきやられたダメージが大きいようだ。

 なす術がない。

 直接くらうことになる。

 敵は倒れる。 少し待ったが、起きてこない。

「お前たちの大将はやられた! まだやるかやるならこっちはまだ戦力は残っている。」

 トムは敵陣に向かって叫ぶ。

 敵陣にみせるように倒した敵をトムは風で運ぶ。

 敵陣の顔は青ざめる。

 ショックは大きいようだ。 固まっている。

 誰かが叫ぶ。

「撤退だ!」 それに続いていくように退いていく。

 トムの作戦勝ちだった。 強いものをけずる。

 下のものたちはかなうはずがないと恐怖したのだろう。

 ジョンたちは勝った。

 ジョンにとって、初勝利だ。 そして、初めての戦いだ。

 この戦いで力のつかいようを学んだ。

 サンライズ国の兵士は雄叫びをあげる。

 雄叫びはこだまする。 地面は声でふるえる。

 

 

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異世界 ナマケモノ @cola99

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