第9話
「どうすればいい。」
「相手はレベル1の術をみて、どう思う? こいつは弱いと格下にみるのさ。 逆手にとるんだ。 レベル1でも時間をかければ、レベル8まで近づける。 まぁ、そこまで時間もないし、本人がもたない。現実的に3くらいまでだろう。 作戦は簡単だ。 大きな戦力をひとつつぶすだけだ。 あそこをみろ。」
トムの指を指す方向に向く。
雷を使って、大勢を倒している人がいる。
大勢で向かってもかなわないようだ。
向かおうとしている兵士はビビってみえる。
後ろに少しずつ下がっていく。
実力の差を飲みこめたようだ。
にらみが続いている。
「あいつだ。 今は土属性で壁をつくるんだ。 コの字で描いていくんだ。」
「分かった。 やりゃあいいんだろう。」
ジョンは初めてことばかりだが、やるしかなかった。
頭でイメージをする。
木でやるべきか。 いや、違う。 もろすぎる。
束になってもすぐに攻撃されれば、崩れるだろう。
単純に土で固めていく。
両手を地面に当てる。 土の感触をたしかめる。 やわらかい。
これより少し固くしかない。
指先に神経を集中する。
土がぼこっと盛り上がる。 これでは足りない。
地面から手を離して、当てるのをくりかえす。 どんどん高くなっていく。
今は一直線に横に2mくらいの高さの壁を作っただけだ。
ジョンは息があがる。
少し手を休める。 視線をトムに向ける。
トムは雷を避けながら、何か言っているようだ。 相手は怒っているようだ。
攻撃がひどいさまだ。
トムは風を上手く扱っている。
風を使って地面と空を上がり下がりしている。
目があう。 早くやれ、という意味なのだろう。
ジョンは精神を落ち着け、再開する。
要領はつかめてきて、さっきより速い時間で壁が出来上がっていく。
コの字の壁が出来上がる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます