第九回幻想ユーモア杯

大会総評と次回の大会について

🚪第九回大会・幻想ユーモア杯🚪

https://kakuyomu.jp/user_events/16817330647886983122



 参加者の皆様、お疲れ様でした。お忙しい中、当企画のご参加をご決断くださいまして、感謝申しあげます。

 36名の作家(主催者も含む)による54作品の応募ということで、一番多かった第三回大会「抱腹Z〜杯」(33名の参加、43作品。2022年現在)を堂々抜いてくれまして、「ここまで来るとは思わんかった!」という歓びの悲鳴をあげさせていただきました。初参加の方も、私の計算だと19名いらっしゃいましたよ、本当にありがとうございます!(数え間違えてたら、ごめんね)



 しかし、大会テーマの「幻想」が、なかなか厄介だったみたいですね。



 応募要項に書かせていただいたとおり、どちらかというと「現実」のドラマを主体にしたものを理想として思い描いていたのですが、蓋を開けてみると「なんか違うかも」という作品が多かった……というのが最初の印象です。


 まず、「現実に視えないものを視る」で、だったら小説世界は全部作者にしか視えていないマボロシだし、現実じゃないからオーケー!……は、さすがに「ノー」ですよね。それだと「何でも良し」になっちゃいます。また「夢」や「空想」「妄想」なども、厳密に言えば「幻想」とは別のものだろうな、と私は思っています。


 ファンタジーやSFも今回のテーマで言うと違うかな、とは思ったのですが、ジャンルとして「不問」といたしましたので、そういう小説であっても即、賞の選考から外すことはせずに、幻想ポイントは少なくても笑いのポイントの方で考える、という感じにしました。


 自分が主催の企画とはいえ、「私色に染まれ〜」というのもあんまりおもしろくないと思っている人間なので、そこは皆さんが考えられた「幻想」を受け止めることにしようと。そして、自分でも書いてみて「案外、難しいわ」と気づいた、というところもあってですね……。


「幻想」というものはまさしく「現実=光」に対する「陰」のようなもので、「幻想を立てれば笑いが立たず──」という感じになりやすかったですね。


 ですが、とにかくバラエティーに富んだ作品を読めたことが幸せでした。全員にご挨拶できませんで恐縮ですが、新しくカクヨムに登録されて、はじめて「笑いのヒトキワ荘」を知った、という方もおられたかもですね。飛び込んでくださり、本当にありがとうございました。ゲスト審査員のお二人も、お忙しい中、結構たくさん読んでくださったようで、楽しかったようですよー。そうおっしゃってましたから。



 文学シルフさんは、まさかの全作品を読んでくださり、一言二言ご感想をお寄せいただき、新作の感想書きに「うんうん」唸っていました管理人としては、非常に心強く、うれしかったです。

 この場をお借りして、お二人のゲスト審査員に厚くお礼を申しあげたいと思います。

 ご自身の執筆活動もありながら時間を作ってくださり、ご協力くださいまして、本当にありがとうございました。  

 私は最近、カクヨムの活動を頻繁にできていませんし、Twitterでフォローしている作家さんたちは「別ジャンル」でやっておられる方も多いです。自分の交流に自信が持てていませんでしたが、こうして「引き受けます」と言ってくださる方がいて、幸福でした。


 皆様も「笑い」などで、なにか「やりたい」というときは、ぜひ積極的にやっちゃってくださいね。私でよかったら、ご協力できるときはやりますので、ご遠慮なくお声かけください。




 

🚪大会のルールについて、再度お願い🚪



 参加者の皆様に、ここで改めてお願いを申しあげます。


 今大会、残念ながら、途中で私が「削除対応」をさせていただいた方が一名おられ、さらにもう一名「無言退場」がありましたので、選考対象から外させていただきました。



 ★ご参加後の大幅な改訂(書き足し)や、無言の削除、作品入替、その他荒らし行為などのあきらかな違反行為をされないこと。


 ↑↑↑↑↑ ほらほら、これなのですよ。書いてあるでしょう?



 大会の運営も大変なんですのよ、結構。ルールはできましたら守っていただきたいです。

 もちろん、今これを読まれている方は要項を守って、そんでもって大会のことも気にかけてくださっている方ばかりだろうとは思うので、なんの非もない方々にこんなことを聞かせるのは申し訳ないんですけど。



 前者の方は、以前にも同じ作品で三回以上「無言退場」があり、近況ノートやコメントで呼びかけをしてもご返信や弁明などがありませんでしたので、私の方で「おそらくは宣伝目的の参加であり、賞狙いではない」と誠に勝手ながら判断させていただきました。もちろん今回もコメントで「すみませんが……」と送らせていただき、ほかの作品についてもご辞退いただく形にしました。


 私はですね、投稿作の「削除」など自分からしたことは今まで一度もなかったのですよ。


 仏じゃない顔も何度まで……と、さすがに同じことを何回もされてしまうのは、キツイです。さすがの私も……筑豊弁で「はらかくばい」ですね(「腹かく」は「ムカつく、腹が立つ」という意味です)。



 後者の戯男さんに関しましては初参加で、あのようなすばらしい作品を二作もお寄せいただき、noteでもご紹介していたのですよね。「受賞圏内」としても考えておりましたので、管理人としてはずっと居てほしかったですね。ご事情はありましょうが、最後まで参加となったもう一作もルール上、対象外とさせていただくことをご了承くださればと思います。こちらも泣く泣くです……。



 ユーザーさんとコメントのやりとりをしておられない方もいらっしゃるでしょうし、返信も「絶対してくれ」とは言わないです。こちらも全員に送っていないですしね。

 以前まではルール違反も大目に見ていたのですが、あるときTwitter上で「自主企画の要項を守っていない人が多くて腹が立つ」といった、あるユーザーさんのツイートを見てから、「開催する方もいいかげんでは読者の方に申し訳ないな」と思うようになりました。私もやはり内心、「嫌だな」と思うクチですから。


 真剣に賞を狙って参加してくださっている方もおられますし、私も遊び半分ではやっていません。それに、そういう気持ちで参加されている方なら、自分が要項違反になっていないか、などは気になるはずです。


 なので、忙しくて近況ノートや総評など見る時間がないとしても、応募要項に書かれていることをしっかり見ていない、参加を突然取り消す、などの行為があるということは、「賞などは真剣に考えていない」と捉えられても仕方ないのでは? と思います。


 くれぐれも言っておきますが、「自分の作はどうせ選ばれんだろう」は、その方の主観になります。応援や星だけでわかるものではないと思いますし、コメントもレビューも送っていないけど「あれ、すごく好きだった」もありますよ。

 参加した後に「こっちの企画の方がよかったー」と思われたなら、それも一言知らせていただければ、変わられるのはまったく問題ないですしね。


 もう、そういうの全部めんどう! という方は「置くだけ企画」などがありますので、そちらを選ばれたらいいのかな、と。読者の方の目は必ずあるものと思ってください。私も皆さんもなるべく粗相はないように心がけましょうね。自分が損しますから。





🚪ここからが本当の総評だよ🚪



 いつも前置きが長くて、ごめんね……。


 そうですね、今回のテーマ「幻想」として、一番私の理想に近いかなぁ、と思ったのは、友未哲俊さんの作品と、m.orionさんの『影の学校』ですかね。すごくいい雰囲気でした。

「笑い」としては、ポテろんぐさんと戯男さんの作品はかなり抜きん出ているな、という印象でした。どれか一作だけおもしろい、というものではなく、すべての作品で他を圧倒していたと思います。



 それでは、管理人が選んだ各賞に対して、どういう最終選考になったのか、詳細をお知らせしておきます。


 幻想感は踏まえても、ヒトキワ荘では「笑い」に重点を置いて賞を選考しています。そして管理人である私は、以下の2点において、特に高く評価しています。


・その作家さんのカラーが色濃く出ているもの(と感じられるもの)

・笑いが新鮮であること


 はじめて読む方の作品で「カラー」なんかわかるのか? と思われるかもですが、やはり、文章からにじみ出ている「人となり」と言いますか、伝わってくる空気というものがあります。実はこれは重要でありまして、「同じギャグでもこの人がやると可笑しい」というのを経験したことがありませんか? 言葉もそうですね、この人が言うから説得力がある、というものがどうしてもあります。

 二番目の要素も「笑える」ことで言えば大事なのですが、たとえば笑いの型としてオーソドックスであり、「こういう笑い、前にもあったな」というものでも、過去に読んだものより「おもしろさ」が超えていれば、塗り替えてくれたということで、評価を高くしています。あくまで「私の中で」なんですけどね……。




(敬称略)


🚪幻想ユーモア賞(全作品対象) 最終順位🚪


1、尻神輿D/ポテろんぐ

2、般若(ぱんにゃー) -かぐや姫は「スイッチを切り替えますか?」と聞いてくる-/田中ざくれろ

3、怪奇!梨人間/諏訪原天祐

4、「アテンションプリーズ」/七草すばこ

5、妻の料理/羽座日出樹



 こういう感じですね。ざくれろさんの力作も読み応えある青春ストーリーで、私には新鮮でしたし、すごく好きでしたね。私の頭の中ではすでに「映画化」されました(配役が気になりますな)。

 終了間際にすべり込まれた諏訪原さんの作品はすでに私が読ませていただいていたものでしたが、シュールというかなんというか、「もうっ、なによ、もうっ」という声しか出てこない、まさに管理人を「もだえ苦しませた」驚異の作品でした。理屈抜きに好きです……。




🚪企画優秀賞(書き下ろし・新作) 最終順位🚪


1、「アテンションプリーズ」/七草すばこ

2、妻の料理/羽座日出樹

3、想像堕胎/高黄森哉

4、徒然なるカオス(ウサギ様は無言 編)/猫とホウキ

5、行倒れ神に捧ぐ解決案/十余一



 書き下ろしから選びたい、はいつも思うことですが、作者様が大会以前に時間をかけて──あるいはかけなくても、思いつかれた時点で──よしなに仕上げられた作品の方が「完成度が高い」というのはもっともなことだよな、とも思います。寝かせや推敲も十分にできますしね。いつもでしたら、常連さんが書き下ろしをくださることが多い企画ですが、今回は初参加の方々から書き下ろしを結構いただきました。

 高黄さんの作品はどれもクセが強いというか、独特の胸心地の悪さと「おとぼけ感」みたいなものがありますね。猫とホウキさんの作品もちょっとびっくりしました。おもしろかったです。テーマが「幻想」でなければ、ほかの方の作品も捉え方が違ってくるだろう──というくらい、すばらしい作品が多かったですよね。





🚪ショート・ギャグ作品賞(1,000文字前後の小説) 最終順位🚪


1、妻の料理/羽座日出樹

2、妖刀 兼鉄 ――最後の獲物――/佳河 尋幸

3、吾輩は夏休みである。/おくとりょう



 佳河さんの「兼鉄」は一番少ない文字数(234文字)でありながら、笑いに抜かりがなく、雰囲気が出ていてよかったです。おくとさんの「夏休み」も、従来は笑いを引き出す意図のものではないかもしれませんが、ユニークさが光っていました。


 以上になります。受賞作品と書き下ろし作品に講評(感想)を送らせていただいております。

 旧作・新作への感想はnoteで公開となります(目次機能があり、便利なので)。お手数ですが、そちらでご確認ください。






🚪次回、「記念すべき第十回大会」について🚪




 当企画「笑いのヒトキワ荘」も、一部のコメディ作家さんに愛されて、無事九回までこぎつけました! 

 毎回作品が集まらなかったら、ここまでやっていなかったでしょう。私のやる気を引き出してくださった参加者の皆様、本当にご協力と素敵な作品をありがとうございました!


 次回はいよいよ十回大会です。えーっと、なにも考えていません……。


 これまで、仕事がゆったりしていたので、年に数回開催できたのですが、仕事内容が変わりましてねー……。

 大会運営も感想書きも大変なので、今後は年に一、二回くらいしかできないかもです。それでも、やっていきたい気持ちはあります。笑いの作品を応援したいからです。なのでヒトキワ荘のこと、忘れないでね。


 まだ来年のいつごろやるか、は決定していませんが、記念的な大会なので、


 【ザ・コメディ】


 みたいな感じをやりたいなー。皆様、参加してくださいますか???



・一生懸命「バカやってる」のに、誰からも音沙汰がない(PV0、♡0、★0)

・自主企画に参加してみたら、完全アウェーだった

・とにかく参加できそうな企画が少ない

・「詩・童話・その他」では納得いかないから、SFとかを選んじゃう

・ゲテモノ好き、みたいな人に好かれてみたい……などなど

 

 

【笑いのヒトキワ荘】は今後も、そんなあなたを応援できそうだったら、するつもり。



★内容や日時が決まりましたら、ひと月前くらいに、近況ノート、Twitter、noteなどでお知らせします。

 また見かけたときは、気軽に遊びに来てくださいね!!!





🚪笑いのヒトキワ荘 データ🚪



★ヒトキワ荘・成績(受賞)ランキング


 1位 七草すばこさん   5回受賞(最高位 102号室)

 2位 つくおさん     2回受賞(最高位 101号室)

 〃  鮭さん       2回受賞(最高位 101号室)

 〃  椰子草 那奈史さん 2回受賞(最高位 101号室)

 〃  みさかさん     2回受賞(最高位 201号室)

 〃  田中ざくれろさん  2回受賞(最高位 102号室)

 〃  友未 哲俊さん    2回受賞(最高位 103号室) 

 〃  朽木桜斎さん    2回受賞(最高位 102号室)



★ヒトキワ荘・参加回数ランキング


 1位 猫とホウキさん  全9回(皆勤賞)

 2位 紫 李鳥さん    8回

 〃  朽木桜斎さん   8回

 3位 七草すばこさん  7回

 4位 杜松の実さん   6回(本当は8、9回?)

 〃  田中ざくれろさん 6回

 5位 友未 哲俊さん   5回

 〃  つくおさん    5回

 〃  狂犬さん    5回



(記録を取りだしたのは今年からなので、違ってたらゴメンナサイ)



★その他のデータ


※平均参加者数 26名。

※平均参加作品数 32作品。

※9回のうち6回で、初出場者が101号室を獲得。

※書き下ろしのみの大会は2回(うち1回は小説ではなく、大喜利)






来年2023年も、どうぞよろしくお願い申しあげます。



好きな飲み物が「青汁」から「ジンジャーエール」に変わりました。


笑いのヒトキワ荘・管理人 崇期

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