第二回シュール&ナンセンス杯

全体感想と、次回予告です

 こんにちは!


 まずは参加者の皆様、お疲れ様でした。

 すばらしい作品のご投稿、本当にありがとうございました。感謝×29(名様)。(管理人にとってはいろいろ、つらいことがあった大会でしたが……。)


【笑いのヒトキワ荘・第二回住人募集中】シュール&ナンセンス杯

 戦いを確認されたい方はこちらへ ↓↓↓

https://kakuyomu.jp/user_events/1177354055597805191



【今大会の噴飯ふんぱん(思わず噴きだした)ポイント・ベスト5】

 管理人調べ


   1位 鮭さん「うん高」

      どこが、というより全体的にいろいろ。

      ※コメント欄のユーザー様の反応が如実に表していますね……。

       でもこれを住人に選ぶ勇気は持てません、いくじなしです、私は。


   2位 朽木桜斎さん「シャッポを脱がせる守衛さん」

      お母さんのウィッグ


   3位 もちさん「さとりの間にあるもの」

      ベリーダンス


   4位 つくおさん「自由律俳句集『これからいいところ』」

      鳥のものとは思えない量のフン


   5位 塩塚不二夫さん「野良の吉永小百合〜昭和に捧ぐ〜」

      リンゴの代わりにドラムを叩く加藤茶

        


 もしよろしければ、皆さんの噴飯ポイントをお知らせくださるとうれしいです。本当におもしろい作品が目白押しの大会でしたね。(報告したいという方がいらっしゃったら、コメント欄にどうぞ、ご遠慮なく!)


 もう、薄々気づいておられると思います。私、管理人は大変な「ゲテモノ好き」──笑いに飢えたゲテモニストです。なので、この「シュール&ナンセンス杯」がどれだけ楽しみだったか。


 今回の開催のために、まずカクヨム内のナンセンス界がどうなっているだろうとナンセンス・タグで検索し、調査しました。他の作品ジャンルに比べたらあがってきた数は少ないのでしょうが、とても興味深い作品にたくさん出会えました。お一人だけ、ものすごく気に入った作者様がいて、その方は残念ながら他作品の執筆でお忙しいようで、今回のヒトキワ荘にはご参加いただけなかったのですが、コメントのやりとりもさせていただき、ご紹介する旨も伝えてありますので、この後別項でお話しさせていただきたいと思っております。


 とにかくこのことで期待もふくらみ、私も手始めにナンセンス作品に挑戦してみましたが(拙作「緑のヨーグルトに頼まれたんだよ」)、論理性の破壊された作品というのが「こんなに難しいのか!」と絶叫したほどでした。

 

 私は普段、自分では「ユーモア小説しか書けない」と思っています。書けてコメディがやっとでしょう。なので、皆様の作品には本当に度肝を抜かれました。前回にも増して好きな作品が多かったです。




●最終選考──「王手」、「死の扉」、「落語 漢字ん帳」について



 今大会、はっきり言って、投稿作品の中で一番好きなものを挙げよ、と言われたら、さすがり亜美さんの「王手」になるかと思います。前大会の住人様の作品は、正直、真の「ドタバタコメディ」ではなかったかも、という感想が私の中にもありました。しかし「王手」は間違いなくシュール作品ですし、その尋常ならざる奥深さと言いますか、文語選択の卓越もユニークな異変の差し込み方も、今まで読ませていただいたさすがりさんの作品の中でもおそらく一番印象に残り、一番感動した作品だな、というのが私個人の感想です。今回真っ先に投稿してくださったkoumotoさんの「死の扉」も最初から住人候補でしたし、短編の企画でよくご一緒していた紫さんの「落語 漢字ん帳」も、もし生意気な発言、自由な発言を許していただけますならば「この出来、たまげるんですけど」と思いました。


 私個人は、さすがりさんにこのヒトキワ荘で10連覇くらいしていただいてもなにも問題ありませんし、むしろ望むところだ、と思います。が、たしかに、私とさすがり作品には「好みという名の癒着関係」がありますし、他の参加者様から「不公平さがエゲツナイ」と言われてしまったらどうしようか、との心配もあるにはあります。


 ただ、今回の参加作品を全部読まれた方であれば、先に挙げた三作品がどれほどすばらしいのかはわかっていただけるのではないでしょうか。選ばない方が「おかしい」でしょう。ではなぜ、二作外さなければならなかったか。


 企画の応募要項に「書き下ろし」を優先する旨をお知らせしているからです。


 皆様、リアルな生活でお忙しい中、また他にも魅力的な自主企画がたくさんある中で、ヒトキワ荘を選んでいただき、しかも新作を惜しげもなく投入してくださる作者様には、優遇を与えて当然という気がします。もし優遇されないのでしたら、誰がそこまで必死になって書き下ろしてくださるでしょうか。書き下ろしこそ企画の目玉ですし、そうしてもらえないのだとしたら、おそらく無理が多いか魅力が足りない企画なんだと思います。主催者の責任問題です。


 今回、本当の意味で「書き下ろし」くださったのは、朽木桜斎さん、猫とホウキさんなど、ごくごく少数とは思います…………って、杜松の実さん、一体どうしちゃったの??? まあ、杜松さんは私と違って駄作を並べるタイプではなく少数精鋭のアトリエを展開されておられる方だから、仕方がないかもしれませんが……せっかく書き下ろしてくださっていたのに(号泣)。


 ともかく、前大会もそういう理由から書き下ろし(または新作)をくださった方に住人になっていただきました。だからといって、それだけで選ぶというより「文芸の妙」として内容も良いものを選びたいですので、もし書き下ろしの中で「これだ!」というものがなければ、準書き下ろし作品として、発表一か月くらいの新規作品、企画参加履歴の少ないもの……などが続いての候補になる、という感じでした。


 「王手」は企画前にすでに読ませていただいておりました。カクヨムで私が拝読したのが昨年12月だったと思います。発表一か月くらいの新規作品ですが、企画は結構参加されています。一番気になりましたのは「漢字ん帳」で、大分前の作品であるにもかかわらず、企画参加履歴がほとんどありません。このようなすばらしい作品をアトリエだけに置いて企画に参加させていなかったというのが驚きですが、私は紫さんのストーカーではありませんし(当たり前です)、どういったご事情があるかはもう、ご本人様しかわからないでしょう。


 当初の最終選考作品順位(内容の好みで決めた順位)としては、このような感じでした。


 1,王手/さすがり亜美

 1,落語 漢字ん帳/紫 李鳥

 3,死の扉/koumoto

 4,自由律俳句集「これからいいところ」/つくお

 5,汐風ドレス/友未 哲俊

 6,軍師さま、伝言ゲームはお得意ですか?/猫とホウキ

 7,HELLFIRE —ブラックユーモア、シュール、ナンセンス、不条理/八壁ゆかり

 7,少年AのBGM問題/凪常サツキ

 9,ミミズダービー!/超スーパーウルトラメガコオロギ!!

 


 管理人の中で問題となったことはまだありました。


 たとえば、2月10日公開の作品と2月15日公開の作品が同率であったら、15日の方が新しいから上回るのか、と言われたら「ノー」で、やはり好みで決めるでしょう。

 では、1月30日公開作品と11月30日公開作品が同率ならば1月が選ばれるのか。企画参加歴4回と3回なら、3回の方でしょう、となるのか──。


 そんなのおかしすぎる、やはり内容で選ぶべきだ、となったら、「書き下ろし・新規無視」の所業に辿り着いてしまいます。もう、頭の中で収集がつかなくなり、「一体どうしろと言うんだ────!!」と叫びました。


 私は企画発案当初、住人選考なんて「お遊び」みたいなものだし、「好み」で選んでいますと言っておけば大丈夫、と軽〜く思っていました。

 しかし、実際にやってみると、結構「住人」を狙ってご参加くださっていることが窺える作者様もおられ、「こりゃ、真面目にやらなきゃ責任問題だぞ……」と蒼ざめました。たしかに、私自身ももしそういう企画があったら、期待していなくても選ばれればうれしいでしょう。どうせやるなら頑張って狙ってみようかな、という気持ちで投稿すると思います。


 趣味の世界、ある意味「芸」の世界──自分の魂に従うべきですが、私は普段、サービス業に従事している人間だからか、お客様のお声に非常に敏感である──というより異常に神経質であります。皆様の作品があったからこそこれだけ企画が盛り上がったのですから、自分本位ではなく、皆様が楽しんで、納得されるような形でやっていきたい。

 それに企画に参加されていない「読み専」の方がおられたとしても、やはりそこは人の目ですから、「つまんねー企画やってんな」と言われたら悲しいです。好みとして合わない、ということなら無視はできますが、道理として首を傾げるようなことはやりたくはないわけです。


 とは言え今回、管理人は「暴挙」に出ました。「自分が思う公平という名の暴挙」です。先に述べた三作品はやはり捨て切れないと、「非新規扱い」王者の貫禄ベスト3とし、この中から101号室を選ぶ。そして102号室以下は「書き下ろし・新作」を優先して上から順番に……としたのです。


 一番の「王手」を今回外しましたのは、私の中では「漢字ん帳」と同率でしたし、どちらを選んでもほぼ同じ、という感覚で、あえて言うなら、個人的性癖(笑)に響くのは「王手」、笑いの芸術として響いたのは「漢字ん帳」です。ヒトキワ荘は作品をお寄せくださった「作者様」にお渡しする感じになっておりますゆえ、さすがりさんは前回住人として選ばせていただいたことと、企画参加数なども鑑みました。

 もちろん、一度選んだ方を二度と選ばないということはありません。前回は103号室でしたから、ぜひとも101号室を! とも思いました。しかし今回はこのような判断をさせてもらったことをお許しください。しかしながらこの二作品を落とすことは苦行でした。自分の企画を恨む気持ちです。


 今回なぜか次々消えてなくなっていく作品を目にして、管理人は相当なレベルのショックを受けました。その傷心を収めるべく、また101号室に新作を選べませんでしたので、特別に四作品選んだこともお許しいただきたく存じます。


※今回の作品感想、管理人は気持ち的にやや荒れた状態で書いておりますので、きちんと書けているか保証ができません。このような痛手による精神状態が原因です。どうかお許しください。


 それから、感想を書くにあたって住人に選んだ方のアトリエを度々覗いたりして不審な行動(!)を取ったかもしれません。「あいつ最近よく来てるな……」ということで薄々なにか勘づいた方もあったかもしれません。ついでに読み散らかして帰りました。四名の方、作品感想を書かせていただいた方、たしかにうろつきました。大変失礼しました。



●応募要項(違反)について


 住人に選ばせていただいた、つくおさんの作品が連載中(未完結)であることと、友未さんの作品が1万字をオーバーされている件です。


 、と言うべきか、「短編集は完結でお願いします」と言いましても連載中がいっぱいご参加でしたし、「お一人二作品で」も超えておられる方もいました。すべての投稿サイトで一番仲良くさせてもらっている朽木桜斎さんまでもが四作品も!! ……皆様、老眼ですの? いえ、いいんですよ。でも、「200m バタフライで」と言ったら突然自由形でバンバン泳ぎはじめた参加者様の自由っぷりに管理人は苦笑しました。


 しっかし、管理人にも不手際が!! 応募要項のところに記載しなければならないこれらの条件を、まさかの「その他の注意事項」の方に書いてしまっていますね! なので私も悪いです。ごめんなさい。



 短編集完結は、全部を読まずに評価するのは失礼にあたるというところからです。また、オムニバス形式の場合、一話はおもしろいけど他はそれほど……などもよくあることで、なかなか難しく、全体で、トータルバランスで評価するのが正しいと思われるでしょう。

 つくおさんはちょっと異例で、俳句(川柳?)作品です。投稿後、締め切りギリギリ前に一話分増えたものの、おそらくこの三十一句でのエントリーなのだろうと判断いたしました。それに作品の世界がまだ何かようしている、といった途中経過感がなく、続きも同じテイストの句が足されるのだろうな、と思いました。他の作者様においても、投稿されている分で等しく評価させていただいております。つまり、今回は未完結を選考から外さなかったということです。それくらい、「連載中」が多すぎて収拾がつきませんでした。また期間中に完結させようと考えておられた作者様がいたとして、私が期限を途中で変えちゃったら、そりゃ管理人のイエローカードですよね? 


 1万字についてですが、管理人も多忙ですので、あまり長いものは……という意味でです。カクヨム様のルールでは2万字以内が短編になるそうです。「汐風ドレス」はオーバー数もごくわずかですし、短編と呼べない長さではありません。


 中には、違反しているものは住人選考から外すべきでは? とおっしゃる方もおられるでしょう。ですが、私がこれら要項を満たしていない他作品に対しても、参加削除をお願いしたこともなければ、怒って読まなかったということもありません。途中ちょっとエロ的な作品も見られましたが、ちゃんと読みましたよ。消えてなくなりましたけど……。そしてやはり作品がすばらしいな、と思えば選んでしまうだろうと思います。


 次回以降、あまりに守られないことが多いようでしたら、考えさせてください。


 



●参加者Iさんへ またその他の参加者様へ


 

 今回、途中下車されてしまった作品の中で、ギョーザとメディア・スターを題材に素敵なナンセンス作品を二つご投稿くださったIさん(仮名)に、お伝えしたいことがございます。


 私は追加分も読んでいましたし、今思えばあなたの作品は、鮭さん作品に負けず劣らず最も「ナンセンスしてた」作品だったと私は評価しておりました。星もハートもコメントも、レビューだって書いていたでしょう。ただ、タグが少々大胆だったと言いますか、見たときに、やや誤解を生じる恐れがありそう……とも危惧しておりました。しかし、それも作者様渾身のギャグなのだと、そう受け止め、私自身は問題にしていませんでした。


 ところが…………消えましたね。見事に二作品ともなくなりました。そして私のコメントも消えてなくなっていることを思えば、もしかするとカクヨム様の規定に引っかかり、削除要請を受けたのでは! と、私は非常に憂慮し、大いに悲しみに暮れました。


 Iさんは私のコメントにご丁寧に返信くださいましたし、それなら「このタグは変えなくて大丈夫ですか?」と一言お声かけするべきだったと、今さらですが激しく後悔しております。Iさんが現在、執筆を続けておられるのか、どういう感情で過ごされているのかもわかりませんし、この文を読まれている可能性も低いとは思います。そうだとしても、企画主催者としてなんの行動も取れなかった不手際を謝罪させてください。本当に残念です。そしてすみませんでした。


 そういうのは個人の責任で、というのももっともですが、私はそこまで知らん顔するつもりはありません。他の消えていった作品も、どういう事情なのか窺い知れないので、私個人にはどうしようもないですが、ただただ今回は「あー、もうなんか悲しすぎ」としばらくの間、塞ぎ込んでおりました。


 今後も、参加者の皆様がなるべく不快な思いをせずに、大いに楽しんでいただけるような企画にしていきたいですし、そのために私も成長、努力をしていくつもりです。

 なにか企画のことでご意見などがありましたら、ご遠慮なく私の「近況ノート」にお寄せいただければと思います。よろしくお願いいたします。



 途中下車作品以外においては、今大会は大成功で、本当にものすごく楽しませてもらいました。

 塩塚さんや紫さんやハリーさんや猫とホウキさん、また前回住人になってくださった鮭さん、さすがりさんも、引き続き、この企画のことを忘れずにご参加くださいました。また初参加でも思いきって飛び込んでくださった参加者様、八壁さん、ハヅルさん、N岡さん……などなど、温かなご返信も含めてありがとうございました。こういった方々の作品のおかげで盛り上がることができたのだと思っております。大好きな作品を全部選ぶことができず、その辺は本当に申し訳ございません。


 この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

 本当にご参加ありがとうございました。そしてまた、次回の企画時にもお時間がありましたら、お願いいたしますね! お待ちしております。




★次回企画の予定★


 現在、管理人は「キッパータックの庭で」という長編の第8話を執筆させていただいております。

 ほとんど読まれていないのは私の腕の問題かもしれませんが、もしかしたら、万が0.5の確率でNOVEL DAYSの人たちが続きを待っていてくださっているかも……という希望を抱いておりますので、少しお時間をいただきたく存じます。


 といっても、春には第三回大会を開催する予定です。三月か、四月か、そう遠くない日に。また自主企画欄で見かけましたら、ご参加いただけたらすごくうれしいです。内容を先にお知らせしておきます。



 【笑いのヒトキワ荘・第三回住人募集】抱腹Zー杯(仮題)


 新作・旧作 作品ジャンル一切関係なし! とにかく笑わせたもの勝ちの大会です。作品の完成度、内容、文章の良し悪しも多分そこまで考慮に入れません(もちろん良識のある作品を望みます)。

 管理人があなたの作品を読み、笑った回数をカウントします。回数の多かった作品、笑いの質が高かった作品を住人に選ばせていただきます。

 

 タイトルで出オチの作品、一発ギャグのみもオーケー。もちろん声に出さない笑い「ニヤリ」もちゃんとカウントしますので、上品なユーモア小説、ブラックユーモアも心配ご無用です。管理人がすでに読んでしまっている作品は二度目の拝読でのカウントになりますが、ご参加は可能です。ということで、私がフォローして度々読みに訪れている作者様におかれましては、非常に不利ですね、新作を期待します(はっはっは……ゴメン)。


 楽しいお話をお待ちしております! 


 


以上、ヒトキワ荘・管理人 崇期でした。長い文章、お目汚しを痛み入ります。失礼いたします。 


 

 2021年2月。


 


 


 

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