時が止まればよいのに

大学生の男性二人と女性が一名。
どうしても一人が余ってしまう切ない三角関係と美しい雪景色の物語です。

三人は今でこそ仲良く分け隔てなくやっていけるものの、クリエイティブな業界で生き残れるのは才能をもった一握りの人間だけ。そして一人の女性が選べる男性はやはり一人だけなのです。
人間関係は時と共に移り変わり、決して元には戻らないもの。
一見楽し気で和気あいあいとした会話の中にも現実を認め、未来を憂う悲しき男の心情がここにはありました。

私事ですが、自分も学生の時分が青春のハイライトであり、人生の楽しさは全てそこで学んだと言っても過言ではないので…昔を懐かしみつい涙ぐんでしまいました。

今、青春を楽しんでいる人も、過ぎ去りし日々を懐かしむ方も、是非読んで欲しい名作です。「ハッピーエンドが恋愛の全てじゃないよ」という方におススメです!

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