海面上昇によって陸地を失った世界、海上都市が栄える中で徐々に役割を終えてゆく、旧時代の灯台。
そんな終末感あふれる世界で、灯台に毎晩、灯りをともす役割を与えられた「灯台守」の一族がありました。物語は、家族も友もなくただ独りで灯台を守る十三歳の少女にスポットを当てています。
嵐の夜に、船の生命線となる灯台の光。
旧時代の技術で造られたそれは、海上を照らすには力が弱く、設備に乏しい灯台に遭難者を迎え入れることは、ときに命懸けにもなってしまう。折しも、嵐で難破した船の乗組員らしき少年が流れ着いて――……。
年端もいかない少女の孤独と、それを知った少年の決意。
彼女が悲愴な覚悟を決めた背景とは。
綺麗にまとめられた短編です。ぜひ、ご一読ください。