第7話 もう一度・・・

夏休みの日程は昴と話をし一緒に大阪の地元に約1週間位、戻る事になった。


プチ旅行だ。



私達は、取り合えず自分の友達の所に行く事にし別行動し友達との時間を楽しんだ。




大阪3日目。


昴と待ち合わせをし二人で出掛ける。


地元だからこそ人の目気にせずにフレンドデート。


中学の時とは違うカップルでしか味わえないようなデートをする事にし私達は楽しんだ。


中学の時は、幼馴染みの流れで両想いになり付き合っている感じには普通ならなるんだけど友達と行動していた。


二人きりで出掛けるなんて事もなく、デートというデートをした事はなかった。


幼馴染み以上恋人未満。


恋人同士って手を繋いで街ブラついて、キスしたりドキドキ感があるのに


私達は幼馴染みの感覚しかなくて、その時は男と女としての意識はなかったのかもしれない。




だけど ――――




あれから数年の月日が流れて私達は


一人の男と女として意識して過ごす事


幼馴染みだとしても


私達は男と女としての自覚を持って


心が成長していないと


多分変わらない気がする


だから今日は


フレンドデートだけど


カップルみたいな感じで過ごす






別れ際 ――――




あっという間に時間は過ぎ


凄く寂しいと感じるのは


楽しい時間だったから?





「ほな、明日」

「うん」

「俺が、とおる連れて美憂ちゃんちに迎えに行ったるから大人しく待ってるんやで」

「うん、分かった」

「ほな」

「うん」




私達は別れ始める。


後ろ髪引かれながら歩く私。


別に期待してる訳じゃない




だけど ――――



そのまま別れるのが


何処か寂しい気持ちになった





――― 次の瞬間 ―――




グイッと引き止められ背後から抱きしめられた。




ドキッ

突然の出来事に胸が大きく跳ねた。




「何でやろう?明日も会えるっちゅーのに」

「昴…」



抱きしめた体を離し振り返らせるとおでこにキスされた。




ドキン




「すまん……流石に唇はでけへんかったわ……恋人同士やないし」

「そうだね……でも昴なら……」

「えっ?」

「なぁ~んて」



私は昴に顔を埋めた。


私達は抱きしめ合うと別れた。


ドキドキ加速する胸を抑えて…………




その日の夜 ――――



「なあ、繭、昴君とより戻したらどうなん?」



ドキッ

名前を聞き胸が高鳴る。




「えっ?」

「今度は失敗せーへんのとちゃう?」

「…美憂…」


「中学の時は両想いってだけでグループで出かけてただけやったやん?せやけど、今は成長してるんやし色々と恋人らしい事は出来ると思うで」


「せやけど…昴は相変わらず人気あるし、そう変わらへんと思うし、昴は気持ちないと思うで」


「そんなん分からへんやん?せっかく再会したんやし応援するで」


「美憂…」


「繭はどうしたいん?」

「私は…より戻せたらと思うねんけど…好き寄りやし」


「ゆっくりでええんちゃう?」

「えっ?」

「急がんでも、ゆっくりでええと思う」




――― 次の日 ―――



「ええっ!?浴衣!?」

「当たり前やん!」

「無理や!」

「アカンで!夏祭りなんやから、ここはもう気合い入れるんや!」

「気合い入れて引かれたら嫌やん!」

「大丈夫やって!夏祭りといえば浴衣やんか!」




そして ―――――



「美憂、繭ちゃん、お迎え来たでぇ~」



美憂の母親が声をかけた。


美憂は普通に顔出したけど私は慣れない浴衣に躊躇い出る事が出来ない。



「繭、行くでぇ~」

「無理やて!」

「繭、何してんねん!はよ行くで!」



昴が言う。



「さ、先に行って!」

「何でやねん!」



ドアが開き、グイッと引っ張られ、昴の胸の中にスッポリと入った。




ドキッ



「確保やっ!逃さへんで!」



「………………」



「何、恥ずかしがってんねん!」

「恥ずかしいに決まってるやろ?」

「夏しか見れへんのにから」

「浴衣なんて……」

「似合ってるで」



耳元で言われる。

ドキッ



「行くで!」



抱きしめていた体を離し、私の掴み私達は手を繋いで夏祭りの所まで移動した。



「ほな別行動しようや」

「おう後でな」

「じゃあね!繭」

「うん」



美憂は、そう言うと私に


『頑張れ』


と、背中を押すように言ってくれた。



私は頷く。



「なあ、ちょっとお願いがあんねんけど」

「何?」

「恋人繋ぎせーへん」

「えっ!?こ、恋人繋ぎ?ってあのあれだよね?いや…私達はそんな関係…」



私の許可なく昴は恋人繋ぎをした。



ドキッ



「人混み多いねんから迷子にならへんようにしっかり繋いでた方がええんちゃう?」


「…うん…」




私達は恋人繋ぎで祭りを楽しむ。



「何か二人に申し訳ないなぁ~」

「何で?」

「いや、二人付き合ってとかやないし私達に付きおうてくれてんのが申し訳ないなぁ~と思うて」



「大丈夫や。仲良いもん同士グループで祭りに行く言うとったし」


「そうなんや。せやけど…でもうちらのクラス仲良しやったからね……みんなに…会いたいなぁ~」


「ほなプチ同窓会でもするか?」


「えっ?」


「繭、急な転校で中学ん時からみんなと会うてへんやろ?多分、すぐ集まると思うで!」


「昴」


「当たってみるさかい」

「うん」




私達は夏祭りを楽しむ中、中学時代以来の同級生に会い、タイムスリップしたみたいにあの頃と変わらない昴が隣にいる。





ねえ…



昴……



私は……



あなたが好きです……



成長した私達だけど



付き合う事が出来ますか?








ドーーーン……




パラパラ……





花火が上がる。





「おう!分かったわ!今から向かうわ!」




電話を切る昴。




「とおるも美憂ちゃんも別れた所に向かうねんて」


「そっか…」


「俺達も行くで!」


「うん、そうだね」




私達は歩き始め、1、2歩、歩くと昴は足を止めた。




「昴?どうかし……」



言い終える前にキスをされ、私を抱き寄せる。


私は突然の不意のキスと抱きしめられ、胸がドキドキ加速する。



「なぁ……繭……。もう一度…より…戻さへん?」



ドキン


花火の音で聞こえないのを避けるように抱きしめた状態で私の耳元でそう言った。




「今度はもう離さへんから…繭…俺ともう一度…やり直して欲しいねん…アカンか?」



抱きしめられた体を離し向き合う私達。



「………………」



私は昴の胸に顔を埋める。



「……うん……」


「うん…? ……それは…アカンの “うん” なんか?それとも……」



私はキスをした。



「へ、返事したからね!」

「えっ?」



私は去り始める。



「か、帰るで!」




グイッと引き止め背後から抱きしめた。



「な、何?」

「繭…ホンマにええんやな?」

「へ、返事したやん!」



振り返らせると、再びキスをされ、おでこ同士をくっ付ける。


ドキン



「ち、近いわ…」

「ええやん!これからも宜しくな!繭」

「う、うん…」



再びキスをされ、私達は再スタートをした。




「繭、俺、中学の時、付きおうてたの挽回するねんから覚悟しときぃ」


「えっ?」


「いっぱい愛したるからな」




ドキン


「そのうち幼馴染みの境界線越えるつもりやから……俺」



ドキン


「……う、うん…。昴…一言言っておく…」

「何やねん!」

「好きやで!」

「えっ?」



「………………」



「そらアカンやろ?反則やで!」

「別に本当の気持ち言うただけやん!」

「俺かてお前の事好きやで!」




そして、次の日、クラスのみんなが集まってくれてプチ同窓会をした。























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