書いてて恥ずかしい

「ところでロス、ソナーレみたいなのどうやって口説いたの」

「は? 何言い出すんですかいきなり」


 黙々と作業をこなしているくせに自分と王女付き侍女の話を出されて、ロスは面食らった。正直そういうことをカエルムの前で言わないでほしいのだ。


「それより、そこの姫様と歳も近いうぶな若いのに聞いたらどうです、そういうのは」


 面倒くさい方向へ行くと心底面倒臭いので、入ってきた下男を人身御供にすることに決めた。一方、運の悪い下男の青年はいきなり水を向けられ、逃げを決め込もうと試みる。


「あ、そういう話はないんでじゃあこれで厨房へ……」

「ちょっと待て」


 明らかに仕事の気晴らしを見つけたという声音に、青年はたじろぐ。しかしこの態度が主人たちの思う壺だ。普段はそんなことはしないのだが、今日は運が悪すぎた。


「そういう話ならあるだろうシー君」

「ちょっ……シー君て何ですかシー君て」

「どうもこの手の話が王宮では難しいのだから、解決策の参考よ、シー君」

「何の解決策ですか! ちょっとロスさん!?」

「観念しろシー君」


 色恋沙汰の乏しい王宮で話の種になると厄介である。極力、そんな事態を起こしたくないものだが、恋は盲目。


 ***


 こんばんは。終盤になってきましたね、カクヨムコン。

 さて今回は、恥ずかしい話の時にどうしようというお話です。

 揶揄われている下男君、本名シードゥス君は、『時の迷い路』にて恋愛要素要員(右のシー君というのは如月芳美さんから頂いたあだ名です。ありがとうございます)。

 もう一方の『楽園の果実』では、クエルクスが要員。


 恋愛が介入してくると、どうしても書かなきゃいけなくなるシーンが出ちゃうじゃないですか。ちょうどシー君は3つ前くらいの話がその一つで、クエルは今書いているところがそれで。


 いや、困るのですよ。


 私なんぞは決して恋愛経験豊富ではないので、書いていて恥ずかしすぎて恥ずかしすぎて顔から火が出そうなんです。

 うーわぁぁぁと書いた文章読んで、いや普通にこんな小っ恥ずかしいこと考えないかもって冷めた気分で恥ずかしくなるのだけれど。

 でも出てこないと盛り上がりが……。


 現実で置き換えてしまうと、いやいやいや愛が溢れすぎ、と冷めた目で見てしまうのだけれど(自作の例で恐縮ですが、匠さんとか)小説になるとそこを抑えちゃうとつまんないのかなって悩みます。


 フィクションはやはり現実より増していくべきなのか、どうなのか。


 他の方のもので気になることはあまりないのですけれどね。皆様のここの塩梅、どうですか?


 そんな感じで『時の迷い路』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054889868322


『楽園の果実』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054894170460


 共に恋愛モードが加わっています。


 ランキングやフォローには一喜一憂しますが、いつも読んでくださる方に感謝、そしてあと少し! です。


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