『楽園の果実』下書き、完結!
城に帰り、何枚も何枚も何枚も書いては消し、破っては書いていたラピスの手が止まった。クエルクスは書物に落としていた視線をあげる。ラピスは机の上に突っ伏し、頭をごろんと傾けた。
「どうしました」
「終わったわ……」
「やっとですね」
ラピスは書いていた紙の最後の束を、ずい、と机の真ん中に押しやる。クエルクスが寄っていき、紙束を一つに揃えようとすると、ラピスが手を上げて制止した。うつ伏せになったまま、歯切れ悪く言う。
「待ってぇー、それどう分けようかまだ決めてないの」
「え? シレアに順当に送るんじゃないんですか」
「外交だもの。どこまでを一度に送るか、どこまでで切るか、まだ決めてないのよう。相手はだってシレアですもの」
確かに外交手腕に長けたシレアである。こちらもうまいこと段取りをつけた方が、国際的立場を得るには有利だろう。もっとも、シレアもこの催しに関してはまったくもって不得手だと聞いているが。
「全部であと、八枚ですね」
「最後の二枚は対になっているから一緒に送るわ」
「問題はどの辺なんです?」
「一枚ずつ、か……二枚ずつ」
クエルクスはぱらぱらと紙を捲ると、渋面を示す。
「これ……」
「そうよ」
ラピスが恨めしそうに顔を上げた。
「クエルが関わったところが問題なのよ!!」
その一件は、もう勘弁してほしい。正直いって、ラピスを前に思い出すのも辛いのが本心だった。
***
『楽園の果実』、ここ数日の回は、みなさまありがとうございます! 話の展開に気づかれていた方も、気づかなかった方も、うれししすぎるコメントをいただいております。
もう終わりが近いので、書いてしまわないと落ち着かず。仕事を手にしていても落ち着かず、毎日夜更かしして書き続け、本日下書きを完成させました。
あとは公開タイミング。これが悩みます。
『楽園の果実』も『時の迷い路』も、一応、毎日更新しています。
この先のお話をどうしようか、と。『楽園』は残り八話。最後の最後は短いエピローグですから、その直前とセットです。これは決定。
あとの部分なんですよね。元々は四話だったのですが、どうしても章の数を綺麗に操作したかった&エピローグ前の話のタイトルを、一つ前の章タイトルにしたくなかった。
+クエルクス主役回をクエル主役のまま切って、皆様がどういう反応をなさるか、とても拝見したかった(ご意見お待ちしております)。
以上の理由から、分断して章を一つ増やしました。
あとは公開タイミング。
カクヨムコンは残り25日。当初の四話、というリズムで更新すれば、一月十七日に完結。つまりカクコン終了まで三週間残して終わるわけです。
一話ずつ行くと、あと七回更新ですから、二週間ちょい。
さて、読者選考のためには……? 早めに終わると、週間ランキングには残りにくいので人目には当たりにくいかな?
ただ、あまりに遅いと完結読み派の方は読みきれない。
今年は自主企画にもほとんど参加していないし(最初の宣言以来、ほんの少しだけ参加しました。短編はもう少し参加してます)、他の方のも読めていない、というのもあってか、昨年の『天空』ほどは奮わずです。特に妹。妹よ。。。
まあ本当に読みたいと思って下さる方に読んでいただきたいので、そこはいいのですが(コンテストには色々あるらしい)でも読まれるとどんなだろうって気になる心理なのでしょうね。自分が好きだなって読みに行くと、その作者さんは好みが合うことが多いのも確かです。
それから……実はエピローグを入れて最後四話は、一度に or 短いスパンで更新して、一気読みしてもらったほうが勢いが出ると、個人的には思っています。各話は長くないのですよ。
完結するタイミング、本当に悩みます。毎日更新をやめるか、それとももうこのまま、読み直しを終えてどんどん更新するか……。
そして、楽園に一区切り着きましたので、「時の〜」のシレアもどんどんいきます。
ランキングはもう、底辺も底辺なので見ていませんが、それでも上述のことって気になっちゃうのがコンテストの嫌なとこですね(そして私の小心者なところ)。
読んでいただき、ありがとうございます! (このエッセイをお読みいただいている方はお話をご存知なので、今日はもはやリンクは貼りません!)
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