ランキングは気にしない、でも気になる&大感謝&大改稿部分
シレアの冬の夜は空気が澄み、音がよく響く。今日のような日は、赤煉瓦の家の屋根を白銀に塗り上げる白雪が音を吸い、微かな響きも常より耳に届きやすい。
コツン、という音を窓の方から聞き取ったのはロスだった。すぐに覆い布を上げて見れば、伝書鳩が巻き紙を足に結えられて窓辺に停まっている。夜なうえに雪模様ということもあり、城の塔を目指すはずが迷ってしまったのだろう。
ロスが窓を開けて鳩を中に入れてやると、カエルムが自分の寝台の脇から折り畳まれた手拭いを投げて寄越した。
「あ、これ洗顔用じゃないですか。すいません、後で替え持ってきます。書簡はユークレースから、姫様宛ですね」
そう言ってロスは手ぬぐいで鳩についた雪を落としてやりながら、王女に書簡を手渡す。王女はそれを早速紐解いて巻き紙を開いた。若い娘らしいたおやかな文字が並んでいた。並んでいたのだが、ところどころ消して直した跡がある。しかもかなり重大な箇所らしきものが多い上、文章としても長い。
「ラピス王女、随分と迷ったかしら。外交は慣れていらっしゃらない、みたい?」
「姫様も人のことおっしゃれないでしょうに」
「わかっております」
まだ未熟だからこそ老中が煩いのだ。せめて退屈するしかない授業を行う教師を交換して欲しいものだ。
内心で愚痴りながら書状を読み進めていくと、途中で王女の橙の瞳が輝いた。
「ねえ! シレアの評判がついに国際基準の一定値を超えたって!」
「本当か」
嬉々とした言葉に珍しくカエルムも立ち上がる。
「嬉しいわね。これでやっとこの基準でテハイザと並ぶところまで近づけるわ」
「シレアへの来賓に感謝するばかりだな。多くの意見も、その都度励まされるばかりだ」
心から感謝に耐えない、それは場にいる誰もが同意見だった。
***
お久しぶりの更新です。このエッセイ。いやはや忙しい毎日ですね。
右に書いた(横書きで読んでいる方は上に書いた)ところを翻訳しますと、はい、『楽園の果実』『時の迷い路』、ともに現段階ではすでに書いていたところを改稿してあげなおしていますが。
甚大重大な変更がかなりあります……!!
ええ、物語の大筋や根本設定に関わる問題ですとも……。
『楽園の果実』の方は、特に次に公開する『峠の一夜』(四)が、やばいぐらい大きすぎる改稿です。あとの方で「そんな話あったっけ」的な。前回のヴァージョンを既読の方がいらっしゃいましたら、再度お読みいただければ幸いです……。次点で「王の求婚(一)」。
この後も割とあるかも(汗)
『時の迷い路』は、「波動(二)」「邂逅(一)」それから次の「交錯(二)」、が今のところ大きく関わる改稿部分。時計台の特徴、構造に手を入れ、もう一人の主人公の旅の理由に手を入れています。
すみません、としか言いようのない不甲斐なさ。
カクヨム機能に甘えてしまっている証拠です。
***
そして!!!
『時の迷い路』、ついにお星様一〇〇越えです!
随分前に100を越えたのですが、きちんとお礼を申し上げる余裕なく……ありがとうございますありがとうございます。ちなみにあいるさんがキリ番(ていうのかな、この場合)でした。
もしすでに入れてくださった方が退会なさっていたら、次にお星様が入っても減ってしまうのですが、でもでもやっと兄王子の一〇〇台に並びましたぁっ!!!
心の中で狂喜乱舞。私が喜びの舞です。
ありがとうございます!
あ、王女の橙色の瞳の色なのですけれど、そこまで非現実的な色ではないです。念の為。病気の方以外にも朱色っぽい瞳の色はあるらしいのですね。
ではでは! 喜びの蜜柑桜、ランキングは気になりますけれど忘れることにします!!!
そして……。
皆さんは、改稿って公開後はどの程度ですか? 本来はやるべきではないのかもしれないけれど……(どっどっどっどっど(心拍音))
常にコメントが遅れがちで恐縮いたします。嬉しいので、とても嬉しいので、励まされております。必ずやお返ししていきますゆえ。
作品リンクはこちらに。
『楽園の果実』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894170460
『時の迷い路』
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