年の瀬の空
@blanetnoir
誰に宛てる手紙でもなく
書き綴った散文が、
誰かに読んで貰えるだけでも嬉しいので、
ほぼ自己満足でここまで続けてきた習慣だけれど。
時に流れ星のように応援のリアクションや、コメントが
ふいに私の元に届けられると、
予期せぬプレゼントに驚き、嬉しくなる。
まるで流れ星のような誰かの「いいね」や応援の言葉に励まされ、
今夜私の元に降ってきた
藍色の空に映える眩い煌めきに手を振りながら、
「ありがとう」と、
暖かい気持ちをおすそ分けしてもらったしあわせな気持ちを、
聞こえるか分からないけれど、音に出して呟いてみた。
調子の狂う季節感や、
コロナ渦という厄災、
全ての悪態付きたくなる災いをこの際2020という年に全て押し込めて、
悲しい思いを終わらせたいと願いながら。
それでもこの刻々と冷え込んでいく、
今目の前にある年の瀬の景色は美しいと、
日が沈みゆく時刻にしか見えない深まる藍色と、
夜の街を灯す温もりある燈を見つめながら、
少し、笑顔になれた。
今この瞬間を生きるみんなが幸せでいられるように、
そして誰かのしあわせを願える人のしあわせを願って、
私は私の精一杯を生きようと、
ふっと力を込めて呼吸をしたら、
マスクの下から白い息が少しもれた。
冷え込んでゆく季節の景色には、
ささやかな光や呼吸の気配すら愛おしい。
顔も知らない流れ星のような誰かの存在を、
確かに感じながら、
またこの美しい空を見上げて微笑めるように、
明日もこの世界を生きようと思う。
年の瀬の空 @blanetnoir
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