あるアイテムを鍵に主人公、ののちゃんが幼い頃からストーリーが始まります。
作者さまの紡ぎ出す細やかな心理描写と読みやすい文章が、時に母親視点で、次第にののちゃんの周りのモブ生徒になったかのように読み手を物語に没入させてくれます。
読み進めるうちに登場人物達の性格、行動に一喜一憂してしまうことも。
また、謎解き要素も含まれたストーリー展開も魅力です。
読了後はののちゃん達の成長と恋の行方に『ちょっと私もがんばろっかな』と勇気を貰える、そんな爽やかさも味わえる作品です。
魅力的なキャラが好きな方、物語を一気読みしたい方々特にオススメいたします。
素敵な作品をありがとうございました。
主人公は、体が弱く、アレルギーも沢山ある女の子。それなのに病院が嫌いで、両親を困らせていた。そんな女の子の前に、同じく病院通いの少年が現れる。彼は金平糖の入った瓶をくれて、その金平糖がなくなる頃にまた会おうと告げる。しかし、その少年の傷は、あってはならない場所にあった。そして彼の中にあった焦燥。それが、くだらない大人になる前に、逃げなくては、というものだった。
主人公は虚弱体質を改善させ、元気に高校に通うことになった。アレルギーはまだあるが、幼少の頃に比べると元気で明るく成長した。星が好きな少女は、潰れかけの天文部に入る。そこで、少年とよく似た先輩と出会う。しかし、天文部が潰れかけていたのは、天文部の問題少女だった。彼女は入部してきた人間を追い出し、主人公にも辛く当たる。そして少女は主人公が心の寄り場にしていた金平糖を、ばらまいて、池に容器を捨ててしまう。そこに助けに入ったのが先輩だった。しかし少女もただの悪人ではなく、主人公にできる限りのお菓子を持ってきてくれる。
そんな中、主人公はクラスメイトに天文部の入部希望者を発見する。しかし、そのクラスメイトは主人公を弄んだだけだった。それに対して先輩は怒る。
主人公に対して優しい先輩は、もしかして、タイムトラベラーなのか? あの時の金平糖の少年が、会いに来てくれたのか。悩む主人公に、先輩は告白をする。その告白は、恋愛的な告白と同時に、少年の秘密を暴露することでもあった。
天文部の復活と恋のゆくえ。
そして、少年少女の痛みと苦しみ。
自分の星座が嫌いな主人公の選択は――?
是非、御一読下さい。