遊び詩

成長

成長なんかしたくない。

どの子供もそう願うだろう。

私とて成長なんてしたくはない。

お金が纏わると顔色を変える大人なんかに、

顔の構築が違う人を見ると目の色を変える大人なんかに、

ちょっとだけ学べたからその全てを知っているかのような素振りをする大人なんかに、

無傷の自分を守り傷だらけの相手を刺し、それが自己防衛だと言う大人なんかに、

なりたくなんかない。

あんな自意識過剰で

あんな世間知らずで

あんな偽善者で

あんな嘘つきで

なりたいと思う人はしかしいるのだ。

お金を稼ぎ

笑顔に暮らし

社会に勘違いし

世間を知ったかぶる。

子供ならば大人に従うしかないだろうと思う人間なんぞ

一番気色が悪い。

一番気持ちが悪い。

一番嫌いだ。

成長し

親の汚いところを見て認めて

成長し

大人の汚いところを痛感し学んで

成長し

世間の当たり前に合わせることを当たり前とし

成長し

腕に切り傷の跡をまるで存在しないかのように態度を作り

成長し

打撲跡だらけだった四肢が綺麗に見えるように想定し

成長し

助けを知らず、治療の二文字を知らない子供がいないかのように偽善をし

成長し

皮膚が頭半分までのめり込み自分を傷つけるしか脳のない人間を

馬鹿にして

馬鹿にして

馬鹿にして

馬鹿にして

金の払えない子供を

馬鹿にして

馬鹿にして

巻き上げて

巻き上げて

立場が上

立場が上

この人がすごい

あの人がすごい

払え払え払え

お前なんかどこにでも生きられはしない

成長するぐらいであれば

あんな汚い化け物になるぐらいならば

私は首を吊る

私は腹を諸刃の剣で刺す

私は脳を切り落とす。

成長し

綺麗な化け物になるぐらいだったら

自分という自分を突き通す阿呆に私はなりたい。

あんな人間になるぐらいだったら

私は死んだ方がマシだと思うのだ。