極致の剣聖〜壊れた世界で剣聖は笑う〜

烏鷺

第1話

「フッ、フッ、フッ・・・」


 朝6時のまだどの家も目覚めていない閑散とした住宅街の一角に立つ『刀将』の名前が彫られた看板をかけた古き良き日本家屋の豪邸の庭で背丈から察するに高校生ほどの男が一心不乱に木刀を振るっていた。


 この一心不乱に木刀を振るう男の名は刀将とうしょう 修羅しゅら

16歳。


 父に、世界剣術大会3連覇中の刀将 健吾けんごを、母に、デビューから現在まで華々しい経歴で飾り、テレビにこの人ありとまで言わしめるモデル・女優界のトップに立つ刀将 朱莉あかり、そして、第二次世界大戦、特に太平洋戦争にて米兵1000人に対して味方を逃すための殿として刀一本で立ち向かい、戦死どころか逆に米兵をズタボロにし敗走させた上自身はほぼ無傷という、米国にとっては勝てる戦いに負けたという精神的な大打撃を与え、後に当時の軍部や政府首脳から「彼無くして勝利はあり得なかった。」と言わしめ勲章の最高位である、大勲位菊花大綬章だいくんいきっかだいじゅしょうを受章した超人、刀将 源十郎げんじゅうろうを祖父に、その他にも家族全員が何かしらの功績や経歴を持つ超絶ハイスペック家族の3男3女の末っ子であり、例に漏れず彼自身も齢5歳にして自家の剣道道場の門下生や父や祖父に勝ち免許皆伝

、そして齢10歳にして自らの流派をひらくというまさしく天才というに相応しいハイスペック人間である。


 そんな彼の日課である素振り一万回。既に彼はその内9000回ほど終わらせているのだが、彼はその回数を一時間や二時間かけて行なった訳でも手を抜いて煩雑に行っている訳でもない。

 先述、彼がと記したがそれはあくまで神の視点的物言いであって実際その場で見た者からすると彼の肩から先がで彼が何をしているか、何をしているか分かっても何を振っているか分からないであろう。

 その実、彼はその9000回という数の素振りをものの。単純計算、一分に1800回、一秒に30回という常識の枠外の所業である。

 しかし、彼はそれを平然と行っているように見えるし、彼の額を見ても汗一つかいていないことからも実際そうなのだろう。


 そして、一分もたたないうちに日課の素振り一万回を終えた。


————————————————————————————————————

初めまして烏鷺(うろ)です。

初執筆、初投稿なので、誤字脱字や違和感などがあるかもしれませんが頑張ろうと思います。

次話からは主人公視点になります。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

極致の剣聖〜壊れた世界で剣聖は笑う〜 烏鷺 @hsyouta

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ