ダミーデータ
momo
プロローグ
荒廃した都市が広がっていた。
空には厚くて重い雲がかかり、足元には瓦礫が転がっている。色はすべて失われてしまったようにあせていて、遠くからズウンズウンと唸るような低い音だけが聞こえた。
「ここはどこ?」
少女は自分がどこにいるのか、なぜそこにいるのかもわからなかった。栗色の瞳が困惑で揺れた。
周囲を見渡すも、雲が厚く薄暗いために時間さえもわからない。建物を見上げるが光は見えなかった。人の気配も感じられない。このままここに立っていても、日が暮れたら真っ暗になってしまうだろう。
少女は、迷った末に少し歩いてみることにした。もしかしたら、誰かいるかもしれない。歩き始めた少女の後ろ姿を、そっと見守る影が揺れて、消えた。
ダミーデータ momo @momotaroh
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