作者自身が作品のタイトルに”叙述トリック”と銘打っている時点で、新本格ミステリの信奉者は胸躍らせられるのではないでしょうか。
ゆったりとした落ち着きのある文章の中に隠された巧妙なミスリード、そして大胆にも挿入された挑戦状。私はすっかり騙されてしまいました。
ミステリとはいっても血なまぐさい殺人事件は登場せず、主にこの作品は”日常の謎”を取り扱っている点、とても読みやすくなっているのではないかと感じます。

小説と、叙述トリッククイズと解説が一緒になった作品。日本人の読解力が下がっている、とか言われる今こそ読むべき！
短いし解説もわかりやすいよ。皆で読んで話し合ったら楽しいと思う。