第3話刻印
「ふぅ〜食べた〜…」
私がお腹を撫でながら言うとユイトはお粗末様です!と応えた。ユイトは金色の髪の毛と黒色の瞳でこちらを見つめた。
「………?どうしたの?」
私が不思議そうに返すとユイトはあわあわしながら応える。
「いえ!今日も作戦会議ですよね?」
ユイトがそう言うと全員私を見た。
「うん!そのつもり!」
私が笑顔で返すと全員が改めて向き直る。
「まずは僕達の"刻印"からだね」
シュウの発言に私は頷く。私達は普通の人達が持たない特別な力を持っており、その力で街を助ける活動をしているのだ。
「まぁでも、この力って昔に封印された化け物達の力でしょ?」
そう、そうなのだ。この"刻印"は遥か昔、人々を苦しめた化け物の力を司るモノなのだ。
例えば、
シュウは嫉妬。
ミオは色欲。
テルクは暴食。
シアは傲慢。
リックは怠惰。
レイトは強欲。
ユイトは 憤怒。
の刻印を持っている。
かくいう私はそんな皆を仕切る、いや、力を制御する力を持っているのだ。何故この力が私達に宿ったのかは知らないがあまりにも危ない力の為、全員で一緒に暮らしながらこの力と向き合っている。
「一番訳わかんないのがカナの力なんだよな〜」
テルクの発言に私も同感だ。他の皆は昔封印された化け物達の力が宿っているのに私は"誰のモノでもない"力を持っている。私の家は普通の家庭で私自身が特別な訳でもない。けれど、私が皆から主と呼ばれるのは私が皆の力を制御し、時には解放する力を持っているから。戦う力は無いがある意味皆をコントロールできる。という意味で皆から主と呼ばれる様になった。
「刻印のことはまたにしよう。それより、今日はどこで化け物が現れる」
レイトの話に皆は納得した様子で話題を切り替える。私達の街にはよく化け物が出現する。その為、唯一対抗手段のある私達が街の平和を守るのだ。
「確かね〜最近は街の北側で化け物が出現する様になったって聞いたよ〜?」
ミオの話を聞いて行き先が決まった。
私は咳払いすると皆を見つめる。
「今日は街の北側で化け物退治をします。皆の力を貸して下さい」
私が真剣な表情で言うと全員が頷く。
「了解しました。主様」
七つの刻印と主 ちまねちよ @tomorshyu
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